コンマ05の全速スタートで松村敏(31=福岡)が優勝。持ち前のスタート力を発揮し、インからトップスタートを決めた松村が逃げ切り、G1優出2回目でうれしい初優勝を飾った。SGウイナー毒島誠と同期の92期から新たなスター候補が誕生した。

 「信じられない、最高です」。松村はほおを紅潮させながら満面の笑みを見せた。G1予選トップは初で、優出は2月の九州地区選に続き2回目。準優、優勝戦と2度の1号艇は、松村の緊張感を最高に高めた。

 それをはね返したのが「そこだけは自信がある」と言い切るスタートだった。今期適用の平均でコンマ11は全国トップ。そのスタート力で準優は09、優勝戦はさらに突っ込んだ05の驚異の全速スタートを決めた。これには地元の意地を見せようと手ぐすね引いていた東京勢も脱帽。松村は2Mで振り込んで危なかったが、それまでのセーフティーリードで後続を寄せ付けなかった。

 同期のSGウイナー毒島誠は、やや遠い存在になりかけていた。G1の優勝も「想像できなかった」と松村。だがこれで7月三国のオーシャンC、来年3月に同じ平和島で開催されるクラシックのSG出場権をゲット。「道は開けましたね。チャンスだと思います」と力強く話した。

 記念で戦うには、エンジン出し、体重管理などまだ課題はある。「減量します。最低限それはやらないと」。若手が躍動する福岡から、また新星が記念戦線に名乗りを上げた。【中川純】