【大上悟・オレに任せろ】

 ◆11R・ドリームレース 真夏の大舞台で武田豊樹の復活祭だ。

 ファンによって選ばれたオールスターで、ファンは今年の武田をどう評価するだろう? 4度のG1で決勝進出はなく、G3優勝もない。5月の全プロ記念で今年初優勝したが、G1宮記念杯では落車棄権。頭部強打で一時的に視力が落ち、視野が狭くなるほどのダメージ…。復帰戦のG2サマーナイトFは決勝で優勝した浅井康太とゴール前勝負を演じて2着ながら直後の函館G3は準決敗退した。

 成績は乱高下だが、武田株は、まだまだ輪界のトップ級の銘柄だ。「やれることはやってきた」。リオ五輪の夏に02年ソルトレークシティー冬季五輪出場の魂を注入した。7月29日から長野・松本市の美鈴湖自転車競技場で4泊5日の強化合宿をした。かつての浅間温泉国際スケートセンターの跡地を整備した33バンクだ。「スピードスケート時代から好きなリンクだった」。五輪代表へと鍛え上げてくれた地で再スタート。標高約1000メートルと国内の競技場では最も標高が高い。松戸と同じ33バンクで心肺機能とパワーを高める高地トレと、スピード練習に没頭した。

 ドリームレースは細切れのスピードバトルだ。関東3車結束で前を任せた平原がシビアな位置取りで中団を奪取。パワー全開でまくる平原を追走してゴール差し。最後にまくってくる新田は好ブロックで不発に終わらせる。これはまさしく再起のサマーナイトF初日特選で演じた快勝劇の再現だ。

 3連単は(7)=(3)から総流し。