【大上悟・オレに任せろ】

 ◆11R

 今や平原康多が輪界最強のオールラウンダーであることに異論はない。だが、その男に巻き返しのスイッチは入っているのか? 4月川崎G3の優秀で落車棄権。右腰部打撲の治療に専念し迎えた前場所の地元西武園G3は準決敗退。2月のG1全日本選抜を制覇してKEIRINグランプリ(GP)一番乗りで、照準はすでに12月のGP決戦へと定められているのか?

 そんな深読みを即座に一蹴した。「競輪は甘くない。簡単には勝てない。だが常に1着を取るために練習して戦っている」。平原が言葉に「激情」を込めた。スイッチオンなら何でもありの平原劇場の幕が開く。西武園G3の準決はまくったが、村上博幸のこん身のブロックで失速。「完璧な人間じゃないから(笑い)」と振り返ったが、きっちり立て直して4着に入るあたりはさすが。何でもできる底力は半端ではない。

 初日特選11Rでは盟友・武田豊樹がカマシ先行で2着に粘りゴールデンレーサー(GR)賞進出を決めた。「武田さんのすごさに触れられた」。最高の刺激が注入された。レースは細切れ戦で逃げるのは深谷知広か、近藤隆司が有力だが、パワー全開で足を使ってでも、先手ラインの後位を奪取する。芦沢大輔を連れて、別線の反撃に合わせて好スパートを決める。3連単は(3)(8)から全。【大上悟】