競輪、楽しんでいますか?

23日の西武園競輪で、ガールズ1期生(102期)の田中麻衣美が10年の選手生活にピリオドを打った。

モーニング競輪だったため、田中が走ったレースは残念ながら無観客の時間帯だったが、競輪場の外にはガールズの仲間らが大勢駆けつけるなど、田中の人望の厚さが感じられた。


同期に囲まれる田中麻衣美(中央)。左下から時計回りに岡村育子、大和久保美、篠崎新純、1人おいて、荒牧聖未、増茂るるこ
同期に囲まれる田中麻衣美(中央)。左下から時計回りに岡村育子、大和久保美、篠崎新純、1人おいて、荒牧聖未、増茂るるこ

ラストランは3番手から流れ込んで3着と、最後はしっかり車券に絡んだ。選手生活を振り返り「競輪のことなど全く知らないところから小川(隆)さんや池端(将巳)さん(ともに引退)に教えてもらって、クラブ・スピリッツから1期生に合格させてもらいました。私が“一番最初に辞める”と言われていたのに、ここまでやってこられたのは、つらい練習を一緒に頑張ってきた仲間のおかげ。みんなに感謝しています」と涙を見せた。


同期の篠崎新純(左)と田中麻衣美
同期の篠崎新純(左)と田中麻衣美

デビュー当初は好奇の目で見られ、競走以外のことで注目されることも多かったが「それも私の仕事の1つと思って頑張ってきた」と言う。ガールズ選手として生きるという覚悟と意志の強さが伝わってくる言葉だ。

インタビューの最中には、長年ガールズを取材してきた記者の1人が感極まって泣いてしまい、逆にそれを見た田中が笑ってしまうという微笑ましいシーンも。

ふと気づいたのだが、そういえば当方も約11年前に1期生の入学式を取材していた。あのときはテレビをはじめマスコミ各社が修善寺に押し寄せ、すごい騒ぎだったことを今では懐かしく思い出す。


ラストランを終え、選手仲間に囲まれる田中麻衣美(中央)
ラストランを終え、選手仲間に囲まれる田中麻衣美(中央)

「4勝しかできなかったけど、少しは盛り上げられたのかな。最初(戦後すぐ)の女子競輪は15年で終わってしまったので、ガールズはこれから先、10年、20年と続いていってほしい」。

まいみん、あなたの残した足跡は大きい。本当にお疲れさまでした。【栗田文人】