【大上悟・狙い打ち】

 オヤジ魂は45歳を目前に衰えることを知らない。後閑信一は13年9月の京王閣オールスターを自力戦で制覇して以来のG1タイトルに確信を得た。「2月の全日本選抜は、今シリーズを意識しすぎて完全なオーバーワークで失敗。今回は体のケアと、レスポンス重視に仕上げた」。パソコンで後閑と検索すれば「落車負傷」と出てきても不思議ではないぐらいの落車禍を不屈の闘志と不死身の肉体で乗り越えてきた。

 すごみがある。それは最新鋭の日焼けサロンで仕上げた、黒光りする肌だけではない。前場所の玉野G3は初日特選で9着ながら単騎総力戦で大立ち回り、2予は打鐘先行の目標がたたかれると鋭く切り替え、直線鋭く伸びて快勝。準決はまくった武田豊樹をゴール前差し、決勝もまくった武田の3番手で3着ながらゴール前で差し迫った。

 5月2日に誕生日が迫った44歳らしくない。このオヤジ、ただ者ではない。「ここでオールスターを優勝した時と同じ精神状態にある」。オヤジの言葉にはすごみがある。1予9Rはパワフル先行の相川永伍を絶好の目標に得た戦い。オヤジパワー全開で別線をぶっ飛ばす。3連単は(9)(1)、(9)(3)流し。