【東和弘・オレに任せろ】

 ◆11R:決勝 

 どこをどう見ても平原康多に不安がない。勝ち上がりで見せた脚力、冷静な判断に加え、前に吉田拓矢、後ろに武田豊樹と、盤石の態勢が整った。現役最多となる3度目の高松宮記念杯制覇へ、危なげなく勝つ。

 吉田-平原-武田は準決12R東王座でも連係を決めた。吉田が主導権を奪い、平原-武田のワンツーが決まったが、打鐘で4番手を取った新田祐大が、なぜ、最終2センターまで仕掛けなかったか? 新田の答えが関東勢の「威圧感」を表していた。

 新田 残り半周で仕掛けたかったが、前の3人、そこの重圧に動くことができなかった。

 平原-武田は一見、追走しているだけ。しかし、新田ほどのスピードがある選手でも、ちゅうちょするほど隙がないのだ。決勝の展開も、おそらく同じ。2予、東王座とイン切りから中団をキープしている新田が、4番手を取るだろう。ただ、そこから、まくれるかとなれば…。

 さらに、平原は東王座の吉田の走り方に、やんわりと注文を付けることも忘れなかった。「レースとしては失敗のレース。上位戦になればなるほど、隙があると厳しい」。他ラインを全て前に出し、7番手から巻き返した走りを、危険だと諭した。吉田がそのアドバイスを素直に受け入れれば、決勝で後手に回ることは、まずないと推理できる。考えれば考えるほど平原が負ける展開が想像できない。

 車券は平原を1着、武田を2着に固定する。的中重視で本線は(3)(9)(2)、(3)(9)(1)、(3)(9)(8)。武田が3着のときの(3)(2)(9)、(3)(1)(9)、(3)(8)(9)を押さえ、計6点で勝負だ。

 ◆高松宮記念杯の複数V 現役選手で2回優勝しているのは、平原康多のほか、神山雄一郎(94、95年)、高木隆弘(98、01年)、小嶋敬二(03、07年)、武田豊樹(12、15年)。平原か武田が勝てば現役最多3回目のVとなる。引退選手も含めると滝沢正光の5回が最多。