【栗田文人・車券放浪記】

7日朝、かつて日刊スポーツ評論家として前橋を中心に健筆をふるった故鈴木保巳氏の霊前に手を合わせてきた。氏の教えを思い出す。

「競輪はスピードの絶対値。特にドームはな」

ナショナルチームには逆らえない。◎渡辺だ。

準決10Rは浅井を連れた柴崎が逃げる中で8番手。6番手まくりの古性を浅井が飛ばしながら出る厳しい展開だったが、3、4角でイエローラインの外を回って楽々2着まで届いた。「バックも自分のペースだったし、外を回った時も、そこでトップの回転にならないように気をつけた。2着だけど終始落ち着いていましたね」。評論家ばりにパフォーマンスを分析した。注目された決勝の並びは「開口一番『僕が前で』と言いました」と即決を強調。日本代表としての強烈なプライドが、自身の番手回りを許さなかった。

同じナショナルの脇本というライバルがいるが「相手がどうこうではなく、自分との闘い」と過剰な意識はない。その一方、GP権利がある脇本に対して今開催前の賞金は12位で、モチベーションは明らかに高い。唯一のライン3車で、後手に回ったとしても7番手。中団の浅井、平原、清水らのまくりのスピードをもらい、ゴール前で脇本を鋭くとらえる。「優勝あるのみ。連覇を狙います」。有言実行だ。

スピード勝負で脇本が相手本線。逆に、番手の小松崎は付け切れないとみて印を外す。3連単で(3)-(5)から3着(7)(1)(2)(9)。(3)-(7)から3着(5)(1)(2)(9)。