【クローズアップ:中川誠一郎(37=熊本)】

 昨年は、故郷を襲った未曽有の大地震の後、5月静岡の日本選手権で感動のG1初優勝。夏場のリオ五輪出場を経て、年末のGP初出走と、激動の1年を過ごした。

 「いろいろありましたけど、競輪では目標にしていたG1が取れて、GPにも乗ったし、充実していたと思います」。

 大観衆を背に走ったGPは「なんとも言えない雰囲気でしたが変な緊張感もなく走れました」と振り返る。結果は見せ場なしの7着。「展開が思ったものと違ったのは誤算でしたが、もっと緊張した方が良かったのかもしれませんね」と笑った。

 SSパンツをはいての今年初戦を和歌山で迎える。「和歌山は初出走なんですよ。これで遅まきながら全場制覇。今年の目標は簡単ではないけれど、もう1度G1も取りたい。それにオールスターでドリームレース(ファン投票上位9人)に選ばれること。競技の方も国内に限定してやるつもりなので、その分も競輪で頑張りたいですね」と話した。

 初日は特選10Rに登場。五輪代表対決となる脇本雄太のほかに、杉森輝大、松坂洋平もいる細切れ戦。「持ち味を出して頑張りたい」。激戦を中川が痛烈まくりで仕留める。【杉森洋一】