大会3日目は決勝シートを巡る準決3個レースをメインに行われる。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)はそのなかから10Rの稲川翔に焦点を当てた。中西大を目標にイケメン翔様が軽快にさばくとにらんだ。

稲川「翔様」が巧みなさばきで決勝入りをつかむ
稲川「翔様」が巧みなさばきで決勝入りをつかむ

2予8Rの翔様(イケメン稲川翔好きが使う呼称。私もそのなかの1人)は、踏み込んだ分だけ自転車が伸びた印象だ。逃げる根田空史の6番手から三谷竜生がまくり不発。そこからいちかばちか内を突くのではなく、外を仕掛けて伸びた。自信があるからこそのコース取りだった。いい悪いではなく、タテ足に自信がない追い込み選手なら不確実な内を突いただろう。

昨年の岐阜G3の時、翔様と戦法の話をした。サマーナイトフェスティバル後の開催で「目標がない時は、地区が違っても番手を回ってもいいのではないか?」と私は聞いた。その時は、平塚GPで平原康多が脇本雄太の後ろに付く前だった。勝つためにラインが存在するのであって、ラインを優先するあまり、自らの勝機を放棄するのはおかしいと常々思っていた。だから平原の決断は当然だと思った。その後、地区が違っても番手を回る大物選手が増えた気がする。

初日特選も、翔様は松浦悠士の番手を選んだ。翔様の自力であのメンバーでは苦しいだろう。松浦の後ろを回ったのは正解だ。準決10Rは先行意欲が旺盛な中西大を使って、巧みにさばいて1着を狙う。(日刊スポーツ評論家)