ボートレース第116期の卒業記念競走が20日、福岡県柳川市のやまと学校で行われた。関係者約300人が見守る中、田中宏樹(26=福岡)が5コースからまくって、第28代やまとチャンプに輝いた。在校勝率NO・1の立具敬司(25=大阪)は3着だった。卒業した29人(女子7人)は5月から全国のレース場でデビューする予定だ。

 豪快なまくりで、チャンプの座をつかみ取った。スタートは全速のコンマ15。フルダッシュで飛び出すと、1Mは思い切りよく外を握って抜け出した。「思っていたようなレースができました。怒られてばかりだったけど、最後は教官からいいレースを見せてもらったといわれたので良かったです」と笑顔で話した。

 ボートレースを知ったのは大学時代。ある友人との出会いがきっかけだった。大学3年の時に偶然、授業中に話しかけたのが110期の河野大(26=徳島)だった。それまで面識はなかったが意気投合。ボートレーサーを目指していた河野とレースを見に行き、選手を志すようになった。「(河野は)親友だけど、これからはライバルです。でも、期が上なのでボート場ではさん付けで呼ばないと」と笑った。

 支部は福岡でも出身は宮崎。同県出身としては、高山秀則さん(36期=引退)以来の卒業記念レース覇者となった。「自分の持ち味はスタートなので、スタート巧者になりたい。荘林(幸輝)教官が取れなかった、SGのタイトルを取りたいです」。デビューは5月11日からの若松。でっかい野望を胸に、プロの道を歩き始める。【栗原ひろ人】

 ◆田中宏樹(たなか・ひろき)1988年(昭63)4月15日、宮崎県延岡市生まれ。中央大学卒業。やまと学校は9回目の受験で合格。リーグ戦勝率は6・42で優出2回。スキーは1級の腕前で、アルペンでインターハイ、国体に出場した。大学卒業後は延岡市水道局に勤務していた。160センチ、53キロ。血液型AB。