びわこボートの「開設66周年記念 G1びわこ大賞」は、明日12日から17日まで行われる。新たに滋賀支部長に就任した馬場貴也(34=滋賀)が躍動する。今年はG1・3優出、SGにも2回出場。レーサーとして充実期を迎えた今、地元周年初優勝のチャンスがふくらむ。ロングインタビューで熱い思いを語った。

-今年の調子はいかがですか

6月ぐらいまでは、調子が良かったです。でも、夏になって少しペラ調整がずれているかなというような感じはあります。オーシャンC(7月若松)は、準優だけ(調整を)大失敗したけど、エンジンを立て直せたし、最終日は1、2着でまとめて良かったです。

-G1優出3回をはじめ、上の舞台で着順のまとめ方がぶれていない

ここ何年かでは、いい方ですね。昔は出入りが激しかったけど、今年はうまく走れています。

-好調の要因は

昨年は整備規程違反を犯してしまい(17年1月びわこ)、地元を走れない時が続きました。そこで、気持ちを一から出直すというか、しっかり取り組まないといけないと思いました。今年が始まる前に考えていたら、昨年末の住之江(大みそか)で優勝できて、いいリズムをつかめました。そこが一番の区切りというか、きっかけでしたね。

-今年はオーシャンC出場の目標から、8月の丸亀メモリアルも含めてSGは2節出場しました

うまくいっていると思います。今年だけじゃなく、来年も(SG出場を)頑張っていきたい。来年につながるように、走りたい。

-びわこは最近、調子がいいですね

優勝戦には乗っているけど、優勝していないので。自分では納得していないんですよ。

-今年は4回優勝戦に乗って、仕上がりはいかがでしたか

7月の一般戦(優出5着)だけは、調整の方向性が分からなくて、全然駄目な節でした。でも、お盆(優出3着)はそこそこのエンジンが引けて、仕上げられたと思います。

-最近、夏場の調整は、間違っていませんか

そう思います。季節は進んでいるので、夏場の調整より、秋のイメージでやった方がいいでしょうね。

-9月のびわこ水面について教えてください

水位が一番、低くて乗りやすいので、水面に関しては心配していないです。

-びわこを走る時のプレッシャーは?

昔は勝ちたい気持ちばかりでした。でも、今は他のレース場と一緒というか、フラットに臨めますね。リラックスできています。

-G1周年の直前にG3企業杯を走ったのは、プラスになりますね

ペラとかも試せるので、しっかりプラスの材料にしていきたいです。

-7月から滋賀支部の支部長に就任しました

全国の各支部長の中でも、年齢がもっとも若いと思います。まさか、自分が(支部長に)なると思っていなかったんです。他の先輩方もいたので…。でも、支部長の投票結果が出たら、えっ、僕が? って感じになりました。

-仲間から信頼があります

そうなんでしょうかね。でも、結果が出た時は、放心状態になって、どうしようって思いました。

-これから、滋賀をまとめる立場になります

下手なことはできないし、しっかりしないといけないなと思います。支部のことも考えないといけないけど、自分のレースにも集中したい。支部長になったのは、自分が強くなれるいいチャンスかなと思います。精神的に強くなってプラスになると思います。

-滋賀支部といえば、6月に山田豊さんが電撃引退しました

8月19日に滋賀支部で送別会を行いました。僕がちょうどデビューした時、山田豊さんは記念でバリバリに走っていて、すごい先輩やなと思っていました。少しでも(山田)豊さんに近づけるように頑張ろうと思っていました。

-びわこのトップを引き継ぐ形になります

いろいろと教わったことを、後輩につなげていけるようにしていきたいです。

-周年はドリーム戦に選出されました

選んでいただけるのはうれしいし、結果を出したいと思う。僕自身が気持ちを入れ過ぎると良くないので、今年は(気持ちを)入れ過ぎずに、1走1走集中して記念、SG関係なくいこうと年始に目標を立てました。

-いい緊張感が積み重なり、獲得賞金額も3200万円を超えました

いい方向に行っていると思います。ステップアップできたらいい。お盆戦で守田俊介さんから、「今が一番充実しているな」と言われてうれしかったです。

-同期の長田頼宗君の存在も大きい

同期がいるとリラックスして走れます。長田(頼宗)は学校時代から部屋が隣同士で、仲良くしていました。成績面は上にいって、昔は意識してしまったけど、今年は意識していません。見習う部分が多いです。

-一番いい時期にびわこで記念が行われます

そう思います。リラックスして頑張りたいです。

◆最年少支部長 7月から、選手会の各支部の役員が一部変わった。支部長の名前を見ると、以前より若返った印象が強い。特に、滋賀支部の馬場貴也は、登録番号(4262)、年齢(34歳)がもっとも低く、全国で最年少の支部長が誕生した。

◆馬場貴也(ばば・よしや)1984年(昭59)3月26日、京都府生まれ。03年11月、第93期生として三国でデビュー。初優勝は07年5月びわこ。G1は10年1月新鋭王座決定戦(浜名湖、4着)など10回優出。SGは優出がない。通算優勝は30回。12年1月26日、びわこ12R優勝戦で1分42秒2の日本レコードをマーク(優勝)した。同期には長田頼宗、渡辺浩司、真庭明志、杉山裕也ら。167センチ、53キロ。血液型A。