5月5日に静岡競輪場で開幕する予定だったG1日本選手権競輪(ダービー)の開催中止が24日、決まった。

静岡市の田辺信宏市長が定例会見で明らかにした。61年の後楽園競輪場が中止になって以来、59年ぶり2度目の中止に追い込まれた。

◆日刊スポーツ評論家・中野浩一

苦渋の決断だと思う。新型コロナウイルス感染の拡大が止まらないという状況でのダービーの中止は仕方がない。

とはいえ、競輪以外の競技でも選手や関係者の移動は避けて通れない。どうしても「他の公営競技ができて、どうして競輪だけが…」という、釈然としない思いは正直ある。

競輪の収益は施行者である自治体の収益になる。静岡市も、市内飲食店などへの自粛要請に伴い税金を投入するだろう。民間には自粛をお願いし、競輪を開催することが、その補填(ほてん)になる、という理由にはならないか。

現在開催している武雄競輪場のように、対策を講じた上で開催する場があってもいいのではないか。それが駄目なら一斉に全競技を中止し、自粛する方がスッキリする。

また、日程的に難しいのは承知の上で、中止ではなく、延期または代替開催なども検討してもらいたい。

今は終息を願うとともに選手、関係者が感染拡大防止に努めていくほかない。