本島泰康(30=熊本)が約1年3カ月ぶりにレース復帰する。

19年3月19日に取手で落車。バンクで顔面を強打して、右下あごを骨折する大けがを負った。

「落車した前後の記憶は全くないんです。ただ、何とか起き上がって再乗しようとしていたことは、かすかに覚えている」と悪夢の瞬間を振り返った。

長い入院生活でこのまま「引退」の2文字も頭に浮かんだようだが「けがを理由に逃げるようにやめることだけはしたくなかった」。今年4月にようやく退院すると、復帰に向けて練習をスタートした。

「公傷制度でA級2班から戻ることもできたけど、ゼロからスタートしたいと思って断った。再デビューのつもりで頑張ります。まだ、30歳ですから」。以前と変わらない人なつっこい笑顔を見せた。