22日夜から降り始めた雨の影響で、優勝戦は湿走路で行われた。試走3秒53のトップタイムで1番人気に推された加賀谷建明(44=川口)が、念願のG1初優勝(G2は3度の優勝)を飾った。注目の青山周平は5着に敗れた。

今年9月に脳腫瘍の手術を行った加賀谷は、今シリーズが長期欠場からの復帰戦だった。そんな不安の中でも、初日からブランクを感じさせない走りでファイナルに駒を進めた。

レースは先行する中村と浦田を、加賀谷が2周3角で一気に突破。後続を大きく離してゴールを駆け抜けた。「20年以上やってきて、このタイミングで勝てるとは思わなかった。雨が降ってチャンスが広がった」。4月にがんのため、42歳の若さでこの世を去った同期の重富大輔についても触れた。「大輔が背中を押してくれた。周りのみんなに感謝したい。ちゃんと走れることが分かったので、年末に向けて頑張りたい」と力強く宣言した。