輪界のレジェンド神山雄一郎(55=栃木)が、通算900勝を達成した。3日の函館予選8Rで、蕗沢鴻太郎の先行を目標に、最後はこん身のハンドル投げを決めた。

900勝達成は史上16人目、S級が導入された83年4月以降のデビュー選手としては史上初めての快挙となった。

「長かった…」。16度のG1優勝よりも、899回のゴールよりもつらく、厳しい1着だった。2月27日の向日町で王手をかけてからも約3カ月。お立ち台では、ファンを前に涙ながらに「すごく苦しい、半年間でした。一生懸命練習してきました。練習はうそをつかないです」と声を絞り出した。

88年5月8日のデビューから1万2810日、丸35年。前回の地元宇都宮G3では達成できなかったが、函館には縁があった。S級デビュー戦、ふるさとダービー制覇、800勝も北の大地。「ふるさとダービーの優勝が、何となく自分の飛躍のきっかけになった」と、ご当地ファンに感謝を口にする。

そして、「足はだいぶ良くなっている。まだまだ走るつもりでいるので、応援してください」と高らかに宣言した。【山本幸史】

◆神山雄一郎(かみやま・ゆういちろう)1968年(昭43)4月7日、栃木県小山市生まれ。作新学院高卒。競輪学校(現養成所)61期生で在校1位、卒業記念王者。88年5月に花月園でデビュー。93年宇都宮オールスターでG1初制覇。G1優勝は史上最多の16度で、井上茂徳、滝沢正光に続くグランドスラマー。自転車競技で96年アトランタ、00年シドニー五輪出場。通算2809戦900勝。通算獲得賞金29億1463万609円。180センチ、87キロ。血液型B。

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