輪界のレジェンド神山雄一郎(55=栃木)が、史上16人目の通算900勝を達成した。

900勝の声が聞こえ始めたころだったか。その日のレースについて尋ねると、突然「頑張ります。頑張れなくなったら、辞めるときだから、頑張るしかないよね」と返され、ドキッとしたのを思い出した。

神山にとっての「頑張ること」。この日、その一端を見たような気がした。レース後、何度も「間違っちゃいけないと思っていたんだ」と繰り返した。

「1つの間違いもしないように、絶対に間違えちゃいけないと思っていた。朝起きてから、メシを食うときも」。もちろん練習だけでなく体のケア、生活面すべてだ。

自分に、競輪に誠実に向き合い、準備を間違えてはいけない。それゆえ、涙を流すほど辛く苦しい半年だった。「それで負けたら、答えが分かる。それをやらなかったという、逃げ道をつくりたくなかった」。

G1優勝16回を含む900回の先頭ゴール。自分に、競輪に誠実に向き合い、間違えないこと。それが神山の「頑張る」だ。【山本幸史】

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