ガールズケイリン126期生の注目選手を紹介する「Girl 's Collection(ガールズコレクション)2024」の第2弾は大浦彩瑛(28=神奈川)を特集する。唯一の既婚者として注目されているが、ゴールデンキャップを獲得するなど、可能性は無限大。“話題先行”だけではない素顔を取り上げる。【取材・構成=中野公博】
■旦那さんも応援
大浦といえばガールズ新人唯一の既婚者として取り上げられることが多い。
大浦 正直なところ、マダムレーサーとか言われてて。そこばっかり注目されて。ちょっと他のところも知ってもらいたいな、って気持ちです(笑い)。
そう言われると、他のところを掘り下げたい。でも旦那さんの反応は聞いておきたいところ。競輪選手になることに対してどう思っていたのだろうか。
大浦 反対したって記事になってるんですけど、あとから聞いたら『そんな反対した覚えはないけど』って感じで言われますね。たぶん最初は何か分かってない状態。否定というよりはえっ、みたいな。えたいの知れないものをすぐ頑張れよ、とならない感じ。知っていくうちに旦那さんの方がレースは見てますし、見てる以上、練習のことも口を出してきます(笑い)。
子どもの頃から外遊びが好きな元気な子。中学、高校は陸上へ打ち込んだが、大学進学とともに陸上からは離れた。大学では食物栄養学を専攻。航空関連企業に就職し、会社員をしていた。そこから競輪選手を目指すのだが、なぜ競輪選手になろうと思ったのか。
大浦 普通に会社員をしているだけじゃ、なんか物足りないような感じで。体を動かすのは元々好きだったので、体力を持て余しているような感じとかもあったんです。仕事をこのまま続けるのはどうだろうと。まだこの年齢なら何かできるんじゃないかと。自転車も好きだし、競輪に挑戦してみたいと思いました。
好きでも選手は簡単になれるものではないが、大浦には陸上競技で鍛えた体と、自転車への愛があった。大学卒業後、東京に上京する約500キロの大冒険の相棒も自転車だった。
大浦 大学の時にクロスバイクを買って。東京に上京してきたのが、就職とともにだったんですけど。自転車で4日くらいかけて京都から来ました。何か大きなことにチャレンジじゃないけど、そういうのがしたかった。あと東京から仙台まで行ったことも。仕事で行き詰まった時(笑い)。
■本番はガチガチ
124期は1次を通過したが、2次で落ちた。それでも諦める気持ちは一切なかった。仕事を辞め、家族の協力もあり、アルバイトをしながら1年間選手になるために努力を続けた。努力の甲斐もあり、126期に合格。養成所の成績は在所8位ながら、第3回記録回ではゴールデンキャップを獲得と急成長した。
ルーキーシリーズは3場所目の函館こそ初日に落車失格してしまったが、初戦の富山、2戦目の地元平塚で決勝に進出。順風に見えるが大浦の感覚は違った。
大浦 競走が下手くそ。手応えは全然なかったですね。普段の力を発揮できていないのがもどかしい。そこが一番課題です。競走になると、すごいガチガチになっちゃうんですよ。足が普段通り動いてる感じじゃない。指定練習の時から何か普段と全然違う、足が動かない、重いって。周りの先輩からは『慣れだよ』って言われるんですけどね。
本格デビューとなった7月平塚、続く川崎もファイナルへ。8月福井では負け戦ではあったが、最終日に本格デビュー後の初勝利もマークした。それでも自信は芽生えなかった。
大浦 初勝利できたことは良かったけど内容は。合わせ切って先行で勝ちたかった。自分の苦手な部分がレースに出ました。
■5年でGP制覇
適性合格の大浦には1戦ごとが成長する舞台。今は地足強化とともに、レースで緊張しないように試行錯誤中。レース前の声出し、においによるリラックス効果などを今後、試していく予定にしている。
1年以内に優勝。3年でグランプリ出場、5年でグランプリ制覇を目標に掲げる大浦に必要なのは、勝利よりもたった1つのきっかけなのかも知れない。レースで練習通りの実力が出せて“ハマった”瞬間、その時が、改めて大浦の選手としての第1歩になる。
◆大浦彩瑛(おおうら・さえ)1995年(平7)10月8日、京都府京田辺市生まれ。武庫川女子大卒。競輪選手養成所126期生として富山ルーキーシリーズでデビュー(予選1、2着、決勝4着)。会社員時代には4トントラックの免許を取得。旦那さんとの初デートは自転車で2時間かけてカレーを食べに行った。ルーキーシリーズからの通算成績は19戦4勝。通算獲得賞金は211万2000円(成績は27日現在)。身長160・1センチ、57キロ。血液型B。
■大浦彩瑛の師匠・福田知也の話 スポーツを職業にしようとしていたし、第一印象からやる気があるな、と思った。自転車歴が浅いのであとは慣れていけば。練習のタイムは出ているし、周りからも強いと言われて期待されている。あとは本人も自覚しているけど、メンタルが弱い部分がある。そういう面も含め、長い目で見て上位にいければいいかな。真面目でコツコツ練習するタイプだから、結果は付いてくると思う。
■好きなものは…
趣味は旅行。国内外を問わずに旅する。これまで行った一番好きな国はベトナム。2回行き、1回目に行った時に作ったサンダルは思い出として愛用中。他にもアメリカ、カンボジア、台湾にも旅した。国内もほとんど網羅し、競輪場のある都道府県で行ったことがない県も、あとわずか。





















