<国際親善試合:日本0-2ガーナ>◇30日◇日産ス

 長谷部の限界を感じた。3バックの中央で起用するのは厳しい。象徴的なシーンが2失点目。相手のロングボールがワンバウンドして頭上を越した。普段から最終ラインに入る選手なら、絶対スリッピーなグラウンドではバウンドさせない。本職MFの長谷部は、まだその感覚がない。相手にスピードも高さもパワーも上回らない選手なら、鋭い読みで危険を察知する必要がある。慣れているDFなら、バウンドする前に必ずボールに触れて、最低でも角度を変えたはずだ。

 最初の失点につながった槙野のファウルもいただけない。ペナルティーエリア付近でファウルすることは、選択肢の中で完全に消さないといけない。その価値観を変えない限り、ワールドカップ本大会では必ず痛い目に遭う。

 光明もあった。右MFで出場した原口には可能性が感じられた。前のスペースをうまく使った。飛び込めたし、ドリブルで突破することもできた。まだ慣れない分、切り返したり、自らスピードダウンさせる場面もあったが、思いっきり相手GKとDFの間を狙ってクロスを入れれば、相手は嫌がるはず。ここを磨けば、日本の武器になるはずだ。(日刊スポーツ評論家)