首位を快走する川崎フロンターレの鬼木達監督(47)が史上最速となるJ1監督通算100勝にあと2勝と迫っている。次節22日の横浜FC戦(等々力)と26日の湘南戦(レモンS)に連勝すれば、史上11人目の大台到達。采配155試合目での達成なら、18年ワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本代表を率いた西野朗監督(柏、G大阪、神戸、名古屋)の180試合目を大幅に更新する最速記録となる。

ここまでJ1リーグ戦通算153試合で98勝35分け20敗と驚異的なペースで勝ち星を積み重ねている。就任1年目の17年にクラブに初のタイトルをもたらすと、18年も圧倒的な攻撃力でリーグ連覇を達成。19年は4位に終わったものの、ルヴァン杯を制した。昨季はリーグと天皇杯の2冠に導き、就任1年目から4年連続で計5つのタイトルを獲得。監督初年度から4年で5冠は、日本代表の森保一監督が12~15年の広島時代に記録した4年で3度を上回る。

Jリーグ歴代屈指の「名将」となった鬼木監督率いる川崎Fは、今季も開幕から17戦負けなしで首位を独走し、昨季からはJ1新記録となる22戦負けなしと、まさに国内無敵。6月25日から始まる予定のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で、クラブ初のアジア制覇の期待も懸かる。


〈J1監督通算勝利〉カッコ内は100勝到達試合数

西野  朗   270勝91分け163敗(180戦目)

長谷川健太   209勝109分け138敗(227戦目)

ペトロビッチ  207勝108分け148敗(236戦目)

ネルシーニョ  192勝79分け148敗(194戦目)

セレーゾ    141勝47分け84敗(189戦目)

城福  浩   110勝84分け105敗(268戦目)

オリベイラ   105勝52分け51敗(195戦目)

風間 八宏   104勝44分け75敗(202戦目)

ストイコビッチ 103勝42分け59敗(193戦目)

オフト     100勝12分け97敗(206戦目)

アルディレス  99勝22分け82敗(-)

鬼木  達   98勝35分け20敗(155戦目?)

※5月18日現在


◆鬼木監督の現役時代 MFとして活躍。当時の登録サイズは168センチ、66キロ。運動量豊富で攻守にアグレッシブなプレーが目を引いた。Jリーグ初年度の93年に高校サッカーの名門・市船橋から鹿島に入団したが、リーグ屈指の戦力を誇ったチームで出場機会が限られ、98年に当時JFLだった川崎Fに期限付き移籍。99年に鹿島に戻るも、00年から川崎Fに完全移籍した。J2だった03、04年に主将を務めるなど当時のチームを支えた。J1通算49試合2得点、J2通算111試合0得点。日本代表の経験はなかった。

現役時代の鬼木達(2003年10月4日)
現役時代の鬼木達(2003年10月4日)