アルビレックス新潟はヴァンフォーレ甲府と2-2で引き分けた。0-1の前半35分と後半11分にFW谷口海斗(25)が得点し一時は逆転したが、土壇場で失点し、逃げ切りに失敗。アウェーで勝ち点2を失った。11勝4分け2敗で勝ち点を37とした新潟は、この日試合のなかった京都を突き放し、暫定で首位をキープした。天皇杯2回戦(9日、金沢戦)を挟み、次節13日はホームに岡山を迎える。

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攻撃は最大の防御-。それをここまで高いレベルで実践している。J2新潟は5日のアウェー甲府戦に2-2で引き分け。2-1の後半44分に同点に追い付かれて勝ち点3を逃したが、それでも公式記録上の被シュート数は4本にとどめ、今季通算112本はリーグ最少のまま。1試合平均6・6本は、J2が現行の年間42試合(22チーム)制となった12年以降の優勝チームと比べても最も少なくなっている。

前半21分にDF堀米の1本のパスミスから先制点を許したが、変わらずにボールをつなぎ続け、最終的なパス成功率は90%に達した。先にリードを許しても自分たちのリズムを崩すことなく、FW谷口の2得点で一時は逆転に成功した。試合終了間際に後半唯一の被シュートから同点に追い付かれたものの、アルベルト監督は「勝ちにふさわしいプレーはできていたと思う」と言った。

ボールを保持し続け、相手にシュートを打つ機会すら与えない戦い方は、現状ではJ2優勝レベルと言っていいかもしれない。保持率50%未満で昇格した12年以降の6チームは全て1年でJ2に逆戻りしているが、高いボール保持率をキープして昇格を果たしたチームはその後もJ1にとどまるケースが多い。指揮官は「このプレースタイルを続けることがより多くの勝ち点につながると信じてる」。そのぶれない言葉をサポーターも信じている。

【石川秀和】

甲府対新潟 後半、ゴールを決め、抱き合って喜ぶ新潟谷口(右端)(撮影・菅敏)
甲府対新潟 後半、ゴールを決め、抱き合って喜ぶ新潟谷口(右端)(撮影・菅敏)