元日本代表FWの永島昭浩氏(55=日刊スポーツ評論家)が、日本の収穫と反省点を分析した。

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18歳でデビューした久保に関しては、クラブとは違う環境と舞台で普段の力を出せたと思う。エルサルバドルが後半途中の時点で体力を消耗していたことを差し引いても、久保はパス、シュートといった自分の特長を出していた。上々のデビューだった。これだと森保監督も、今後も使いたくなるだろう。

日本全体に突きつけられた課題もあった。2得点で勝ったが、世界と互角に戦うには、まず決定力不足以前の問題として、決定機を作るための好機作りが少ない。そのベースとなるのがDF、この試合でいえば3バックからの攻撃の組み立てにバリエーションが足りない。

確かに永井の1点目は冨安、2点目は畠中のフィードが起点になった。共通するのは、ゆっくりとした攻撃から相手の裏を狙ったパスだったこと。これはこれでいいのだが、例えば両サイドの原口や伊東らへの足元への速いパスが圧倒的に少なかった。

遅攻だけではなく、速攻も交えないと。何なら中盤を飛ばして一気に前線へ高速パスを出してもいい。電車に例えるなら日本には各駅停車が多く、急行、特急が少なかったという事実だ。緩急自在に攻撃することで相手守備は的を絞れなくなる。勝ったからこそ反省してほしい。(日刊スポーツ評論家)