日本(FIFAランキング23位)が、東京・国立競技場で王国ブラジル(同1位)と国際親善試合「キリンチャレンジ杯」で対戦する。

試合は6日午後7時20分キックオフ。11月開幕のワールドカップ(W杯)カタール大会に向け、貴重な強化試合となる。

超豪華メンバーでやって来たブラジルは、A代表としては、優勝した2002年W杯日韓大会以来の来日。招集されているのは、ネイマールを筆頭に世界の超一流ばかりで、先発11人の市場価値は合計で約680億円と日本の約7倍。

国内での対戦は01年コンフェデレーションズ杯以来21年ぶりとなる。

注目の一番に向け、両国と縁の深いセルジオ越後氏(76)が思いを語った。

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ブラジルのサイドからの攻撃には、要注意だね。左右の攻撃的な選手がどんどん上がってくる。ネイマールの個人技、ビニシウスのスピードに対応するだけでも大変なのに、前線の4人が一気にゴール前に迫ってくるわけだから、迫力がある。

さらに、中盤の誰もが前線へ良質のパスを出すことができる。的を絞りにくい。日本の中盤はマークするのが大変だと思うよ。

森保監督としては、この機会に多くの選手を試したいだろう。だが、仮に負けたとしても「試す」を言い訳にしてほしくないね。

ブラジルは、試合を楽に進めるため、開始からどんどん攻めてくるはずだ。2点くらい先に取って、その後はゆっくりプレーしたいところ。前半、日本は防戦一方になるだろう。

本大会まで半年を切った。もう、試す時期ではない。成熟させる時期だからね。今までの戦術、選手でどう耐えてどう逆襲を仕掛けるかを試してほしいね。

ブラジル戦を仮想ドイツ、スペインと考えるなら、点を取らないといけない。守る中でも、ハチのひと刺しがほしいね。

守り倒して0-0の試合は見たくない。どんどん挑んでいってほしい。(日刊スポーツ評論家)

◆セルジオ越後 ブラジル・サンパウロ生まれの日系2世で、18歳でブラジルの名門コリンチャンスとプロ契約。同国代表候補にもなった。72年に来日、藤和不動産(現湘南ベルマーレ)でプレー。93年4月から日刊スポーツ評論家。辛口ながら、愛ある評論が持ち味の、日本サッカー界のご意見番。