サガン鳥栖の高校3年生FW相良竜之介(18)に期待したい。

九州屈指の温泉地として知られる佐賀県武雄市の出身。鳥栖ユース所属の19年夏から2種登録され、来季のトップチーム昇格が内定している。172センチと小柄ながら、鋭くキレのあるドリブルで相手をかわす突破力が武器。ストライカーの素質を備えている。

11月29日、リーグ戦初先発のG大阪戦でプロ初得点を挙げた。前半11分、相手守備の裏へのボールに走り込んで先制。練習通り相手DFとGKの間にタイミングよく飛び込んだ得点で「自分で予測し、敵より前に入れたのが大きかった。プロ初ゴールでうれしい」と今後の励みにしている。

これには、金明輝監督(39)も「初めてのスタート(先発)で点を取るのは普通じゃないんで、何か持っているものがある。十二分に通用するところを見せてくれた」と評価する。将来性十分だ。

ただ、G大阪戦は前半だけで交代した。相良は「点を取っただけ。もっと相手の脅威になれると思うので、少しでも出られるようにやっていきたい」とさらなる飛躍を期していた。

そして、12月12日川崎F戦では後半ロスタイム1分に途中出場。J1王者を相手に、プロのレベルの高さを再確認した。日々、成長を続ける。

発奮材料もある。17年に鳥栖U-15で全国大会2冠(クラブユース、高円宮杯)を達成した。その時のチームメートだったMF岩崎雄永、DF江崎智哉(ともに3年)は、長崎・創成館の主力として初めて全国高校サッカー選手権大会に出場する。日頃から連絡を取りあう仲で、お互い刺激しあってきたという。

ユース出身者など若手の積極起用が目立った今季の鳥栖。来季の相良のさらなる成長、そのパフォーマンスに注目だ。【菊川光一】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市博多区生まれ。福岡大大濠-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグや高校野球などを担当、プロ野球のカメラマンも兼務する「二刀流記者」。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。