昨季11位のサガン鳥栖はJ2ロアッソ熊本から「個人昇格」した新加入のMF河原創(そう、24)が、得点力向上のキーマンになりそうだ。

ヴィッセル神戸など複数クラブ争奪戦の末、「(プレー)スタイルがとても似ている部分があり、もっと成長するため、ここでプレーしたい思いがあったので決めた」と、地元にも近い鳥栖入りを決めた。

熊本出身で大津-福岡大。20年熊本入団からプロとしてキャリアをスタートさせた。169センチと小柄だが、熊本では主将を務めたリーダーシップの持ち主。アンカーとして攻守に躍動して、京都サンガFCとのJ1参入プレーオフ決定戦にも導いた。昨季は42試合出場1得点。タフネスぶりも魅力で、鳥栖では「特色のキックとハードワークで、チームのために全力で戦い、成長できるように頑張りたい」と意気込む。

ボランチとして30試合に出場して中盤を支えたMF小泉慶(27)が、FC東京に完全移籍した。就任2年目の川井健太監督(41)は、今季について「新しいものをつくり、得点を取り続けられる仕組みを構築したい。今年入団した選手の良さを前面に引き出した得点にフォーカスしたい」と話しており、J2アシスト王の河原にも、中盤の要としての活躍が期待されている。

川井監督は「現段階でキーマンはいない。横一線。(起用は)試合に勝てる選手を使うだけ」といい、入団1年目からのスタメン奪取も夢ではない。

今季の鳥栖はFW垣田裕暉(25)、FW宮代大聖(22)、MF小泉慶、DFジエゴ(27)ら多くの攻守の要が去った一方で、ユースから4人のトップチーム昇格など20歳前後の若手9人を含む15人が新たに加入した。河原らが、どのような化学反応をもたらすのかに注目だ。【菊川光一】

新体制発表の記者会見で抱負を述べる、鳥栖の川井監督(共同)
新体制発表の記者会見で抱負を述べる、鳥栖の川井監督(共同)
【イラスト】鳥栖の移籍状況
【イラスト】鳥栖の移籍状況