全国高校サッカーは今日5日、ニッパ球、フクアリで準々決勝が行われる。九州勢唯一のとりでとなった鵬翔(宮崎)は県勢初の4強入りをかけ、立正大淞南(島根)と対戦。これまで通り3戦無失点の鉄壁守備から攻撃のリズムを奪い、鹿島から浦和に移籍する元日本代表FW興梠慎三(26)を擁した04年度大会8強超えを狙う。83年に就任した松崎博美監督(62)も手応えを感じており、初の国立切符を狙う。

 鵬翔イレブンがあらためて、宮崎県勢初の4強入りへ闘志を燃やした。準々決勝で対戦する立正大淞南は、大会屈指の攻撃的チームで10年度大会4強の強豪。昨夏の練習試合でも敗れている。だが今の勢いの前には関係ない。主将のMF矢野大樹(3年)は「チーム状態はいい。優勝はもちろんですが、まずはベスト4。選手権前から全員の目標なんで」と気合を込めた。この日は約1時間、ランニングやボールを使ったレクリエーションでリフレッシュ。終始笑顔が絶えず、大一番を前に余裕すら感じさせた。

 松崎監督も興梠を擁した04年度大会8強のチームより手応えを感じている。選手層が当時に比べても厚い。チームは同監督が6年前に設立したジュニアのクラブチーム「セントラルFC宮崎」出身者を中心に構成されている。3年のFW高妻、MF矢野、DF原田、日高、GK浅田は1期生。気心も知れている。「セントラルからずっと一緒の子が中心。当時(04年度8強)と比較するなら、そこが強み」と成長著しいチームを分析した。

 昨年、大学生との練習試合を増やしたことも成長の要因だ。特に昨年9月から3カ月間、地元の大学生と月に2、3試合行った。強化試合はチームをレベルアップさせた。今大会では3戦連続無失点。県大会5戦でも1失点と結果を残した。

 3回戦で3得点と自慢の攻撃力も上向いており、矢野主将は準々決勝へ「不安はない」。県勢初ベスト4へ。宮崎の歴史を塗り替える。【菊川光一】