<アジア大会・サッカー:日本9-0香港>◇女子準々決勝◇26日◇韓国・華城運動場

 新戦力の10代パワーで4強進出だ。連覇を狙うなでしこジャパン(FIFAランク3位)が香港(同68位)に完勝し、準決勝に駒を進めた。19歳のFW増矢理花(INAC神戸)が代表初ゴールを含む2得点。初先発の18歳DF羽座妃粋(はざ・ひすい=日体大1年)も相手のオウンゴールを誘った。決勝進出をかけ、29日にベトナム(同34位)と対戦する。

 19歳のFW増矢に待望の初ゴールが生まれた。開始3分、右サイドのMF川澄にボールが渡ると、2トップの吉良とともにゴール前へ走り込む。クロスに頭で合わせたのは手前の吉良。これがクロスバーをたたいて、奥にいた増矢の前に飛んできた。「合わせるだけでしたけど、結果を出したかったので」。遠慮なくゴール左へ頭で押し込んだ。

 13日の親善試合ガーナ戦で代表デビューしてから5試合目。韓国入りした14日に誕生日を迎え、背番号「12」のろうそく付きケーキで祝福された新顔は、勢いに乗り2点目も挙げた。26分、今度は川澄の右クロスを完璧にとらえ「今まで惜しい止まりだったので良かった」。4試合すべて起用の佐々木監督も「ここで増矢に取らせるシナリオだった。ステップアップしてくれれば」と期待を寄せた。

 18歳のDF羽座も潜在能力の高さを示した。本職はセンターバックながら「人生初」の右サイドバックで初先発。前半10分、右足クロスでチーム2点目となるオウンゴールを誘発した。

 シュート数34対0の一方的な展開で最後まで攻め続け「持ち味のキックが得点につながったのはうれしい。けど、ピンポイントで合わせなきゃ」と余裕だった。新戦力の発掘という今大会のテーマに結果で応えた10代コンビ。選手村で同部屋の2人が仲良く台頭した。【木下淳】