【リエージュ(ベルギー)19日】半年ぶりに日本代表に復帰したFW本田圭佑(31=パチューカ)がベルギー・リエージュの宿舎でチームに合流した。欧州に到着したドイツ・フランクフルト空港では笑顔で対応。変わらぬ自負とプライドを胸に戻ってきた。

 半年ぶりの代表でも本田は本田だった。氷点下のフランクフルト空港にジャケット1枚の軽装で降り立った。いつもの金髪にサングラスもそのまま。「寒いね」とニヤリ笑うと、15日のメンバー発表会見でバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が「このチャンスをつかんでほしい」と発言したことを振られた。

 どう思うか? こう聞かれるとしばし言葉を探した。10秒後に「いや、逆にそのコメントを今聞いて、その意味については、ちょっと考えないと」とだけ言った。困惑しているというより、答えはあるがあえて言わぬといった雰囲気。指揮官は特別視せずチャンスをつかめと突き放したが、本田の自信とプライドは揺るぎない。ワールドカップ(W杯)最終メンバー23人には滑り込むといった立場ではなく、普通に堂々と行くつもりのようだ。

 昨年12月には「ベンチでも連れていけとか、そんな弱気なことを言っているわけではなく」と、あくまでW杯の先発11人にふさわしいと反攻宣言していた。姿勢は一貫している。

 同空港には協会手配の外国人ドライバーが1人ポツンと「JFA」と書かれた紙だけを持って待っていた。「HONDA」ではなく「JFA(=日本サッカー協会の略語)」。選外が続いたかつての絶対エースの立場を浮き彫りにするような光景だったが、変わらぬ強気の姿勢でこの2試合に臨み、やはり特別な存在だと認めさせるしかない。