DF槙野智章(30=浦和)が“仮想ポーランド”に頭で一矢報いた。0-1で迎えた前半41分、左サイドのMF柴崎のFKを相手DF5人の隙間を縫って中央に入り、高い打点で捉えたゴールは、記念の日本代表国際Aマッチ通算1200得点目。昨年11月のブラジル戦もセットプレーからで「練習はしていた。ワールドカップ(W杯)本戦を見据えると、自分たちがボールを保持できない時、セットプレーで決める部分は見せていかないと」と手ごたえを口にした。

 昨秋のフランス遠征(ブラジル戦、ベルギー戦)は、DF吉田とセンターバックでコンビを組んだ。ベルギー遠征は吉田が負傷で招集が見送られ、マリ戦はDF昌子、この日はDF植田が“相棒”だった。相方が代わっても最後方から声を出して最終ラインを統率。「いかに全員が攻撃も守備も共通意識を持つかが重要だった。そこが自分の仕事」とDF陣を引っ張る自覚があった。

 30歳を迎え、加圧チューブを使ったカニ歩きで内転筋を鍛えるなど「筋肉を思い通り動かすための筋肉づくり」に励んできた。競り合いだけでなく、体勢が崩れた状態での対応力も向上した。2月の東京とのJ1開幕戦でセットプレーからゴールを決め、得点力がアップするおまけもついてきたという。今回の遠征で勝利はならなかったが、ウクライナ戦は「自分たちが今いる位置、自分たちがやろうとしているサッカーに対して、少し自信を得たゲーム」と前を向いた。

 ▼記念ゴール DF槙野の前半41分のゴールが、日本代表の国際Aマッチ通算1200得点目。682試合目で到達。第1号ゴールは23年5月23日の極東選手権フィリピン戦で清水隆三が記録。失点数は通算804点。