2大会ぶり、最多を更新する5度目のアジア制覇を目指した日本(FIFAランク50位)は、決勝でカタール(同93位)と対戦し1-3で完敗した。前半に2失点し、攻撃も機能せず準優勝に終わった。2022年ワールドカップ(W杯)開催国のカタールは初優勝を飾った。

 

日本の守備陣が、決勝トーナメントで初の失点を喫した。しかも一挙3点だ。まずは前半12分、衝撃的に先制された。左からの浮き球パスを中央で受けたFWアリが、DF吉田を背に2度、ボールを浮かし、右足オーバーヘッドシュートを決めた。さらに前半27分には、MFハティムの左足が火を噴いた。ペナルティーエリア手前からミドルシュートを突き刺された。この男は準々決勝の韓国戦(1-0)で決勝ミドルを決めていた。厳しくいくべきだった。

2失点とも吉田の目の前で起きた。前日の公式会見は主将として出席し、約3分間の英語スピーチで拍手を浴びた。「アジアから、いいサッカーを世界に見せるのが重要」と、“前哨戦”では攻撃的な質問をいなしていたが、肝心の試合では次々と点を失った。

後半35分にはミスも出た。相手の右CKからのA・ハッサンのヘディングが吉田の手に当たる。ハンドを主張され、今大会から導入のビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で確認され、PKとなった。不可抗力とはいえ、ハンドの前にA・ハッサンのマークを外してシュートを許したのは、吉田だ。

リーダーの責務を果たせなかった。試合後は、ひたすら頭をかいた。「相手は中2日にもかかわらず良い準備をして、僕ら以上にアグレッシブに戦ってきた。自分たちも隙をみせない準備を、もっとやっていかないといけない」。長谷部が代表引退した後、主将を継いで最初の公式大会は準優勝に終わった。【木下淳】