女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランク8位)が国際親善大会「シービリーブス杯」で米国(同1位)と対戦し2-2で引き分けた。国際Aマッチデビューとなる若手5人を試しながら、2度追い付く粘りで、16年からの米国戦の連敗を3で止めた。2大会ぶり優勝を目指す6月のワールドカップ(W杯)フランス大会に向けたメンバー選考も大詰め。高倉ジャパンが善戦でW杯イヤーを本格スタートさせた。次戦は2日(日本時間3日)、ブラジルと対戦する。

世界最強の相手を前に、W杯メンバー入りをかけたなでしこたちのサバイバルが、一気に過熱した。過去35戦でたった1勝と苦手の米国が相手。「大事なテストの場になる」と明言していた高倉監督は、予告通りMF松原やFW小林ら代表デビューの5人を起用した。FWラピノーやモーガンら、なでしこが11年W杯ドイツ大会を制した際から米国の主力として活躍する大物たちに経験の浅いメンバーも果敢に立ち向かい、2度追いついて引き分けに持ち込んだ。

今大会は背番号10のMF阪口夢やFW岩渕ら、11年の世界一を知る主力がけがなどで不在。メンバー発表時に指揮官は「どの試合でも私は負けるのは嫌」と言いつつ「大事なのはW杯で勝ち進んでいくということ」と割り切り、100日を切った本番へ最後の見極め、選手選考に入った。

阪口のいないボランチに身長168センチの大型MF松原を置き、岩渕のいないFWには小林を起用。0-1だった後半14分には同じく初出場のFW池尻とDF大賀も投入。勝ち越し点を決められ、攻めるしかない同37分にも初出場の18歳FW遠藤を送り出した。アウェーの大観衆の中、フル出場で世界女王と渡り合った松原は「世界一の相手に対して意外とできたという感覚がある」と自信をつけた。

高倉監督は「みんなこういう舞台ですけど、楽しんでやってくれた」とうなずいた。本大会へ向けたメンバー選考は大詰めで「(構想は)結構固まっている」と言う一方、多くの「余白」があるとも明かす。世界ランキング10位のブラジル、そしてW杯本大会1次リーグでも対戦する同4位のイングランドと対戦するが、指揮官は「次も、その次も(メンバーを)いじる」と断言。見極めを進め、自信を得て、万全の状態でW杯へと向かう。