サッカー女子ワールドカップフランス大会(W杯)(6月7日~7月7日)の日本女子代表(なでしこジャパン)のメンバー23人が10日、日本サッカー協会から発表された。

新潟レディース(L)からはGK平尾知佳(22)が初選出された。新潟Lからは11年ドイツ大会のMF上尾野辺めぐみ、MF阪口夢穂(現日テレ)、15年カナダ大会の上尾野辺、DF北原佳奈(現仙台)に続く3大会連続のW杯メンバー入りになった。

笑顔と真顔が入り交じった。なでしこジャパン23選手の発表から1時間後の午後3時、平尾はクラブハウスで会見に臨んだ。W杯という初の大舞台に「正直、すごくうれしい」と表情を崩す。そしてすぐに「これが始まり。たくさんアピールして戦いたい」。なでしこ入りのほかのGK、池田咲紀子(26=浦和)、山下杏也加(23=日テレ)との守護神争いを勝ち抜く決意をあらわにした。

4月のなでしこジャパンの欧州遠征でドイツ戦にフル出場。2-2の引き分け、なでしこジャパン高倉麻子監督(51)からプレーの判断を課題として指摘された。帰国後のなでしこリーグでは世界を意識した。もともと得意にしているクロスへの対応は1歩でも前で捕ることを徹底。「それをしないと世界では戦えない」と気持ちはW杯モードだった。

昨年、浦和から新潟に移籍し、昨季リーグ戦18試合にフル出場。今季も7試合フル出場中の不動の守護神だ。試合感覚を研ぎ澄まし、首藤慎一GKコーチ(35)の指導で1対1の強さを身に着けた。昨年8月の4カ国対抗(米国)オーストラリア戦でなでしこジャパンデビュー。そして今回のW杯メンバー入りと、移籍をプラスにステップを駆け上がった。

「夢だった」と言うW杯のピッチに立つ資格は手にした。「でもそこは通過点。世界で自分がどこまで通用するかを知る機会」。本番まで1カ月を切る。「いいコンディションで臨み、もっとアピールする」。2大会ぶりの優勝を狙うなでしこジャパン。そのゴールを守るために、さらに自分を磨く決意を示した。【斎藤慎一郎】

 

◆平尾知佳(ひらお・ちか)1996年(平8)12月31日生まれ、千葉県出身。5歳からサッカーを始める。JFAアカデミー福島に所属し、福島・富岡高を卒業。15年浦和に入団。U-17、19、23の日本女子代表に選出される。16年に日本女子代表入り。18年に新潟Lに移籍し、同年のアジア杯の日本女子代表に選出された。173センチ、65キロ。