南米選手権ブラジル大会のウルグアイ戦で2得点を挙げたMF三好康児(22=横浜F・マリノス)に、川崎フロンターレ時代の先輩たちが賛辞を贈った。

FW小林悠(31)は「素晴らしかったと思いますし、誇らしかった」と喜び、MF中村憲剛(38)は「自信をもってやっていたのが印象的。(板倉)滉もそうですけど、2人が出ていたのは感慨深かった。ウルグアイと真剣勝負でドロー。すごく、成長したなあという感じがします」と話した。

三好は川崎Fの下部組織出身で、15年にトップに昇格した。昨季はコンサドーレ札幌、今季は横浜マリノスに期限付き移籍しているが「蹴る・止める・ポジショニング」の技術と知恵は川崎Fの練習を通して磨きをかけていった。当時、三好がシュートのお手本としていたのが小林だった。練習で、小林のシュートや動きだしを盗み見て吸収していった。三好は小林のシュートに「落ち着きがあって丁寧、かつ大胆。普段からマネをして練習してます」とし、シュート動作やボールの置き位置もチェックしていた。また、MF中村からは「バイタル(攻撃エリア)では特に丁寧に」とアドバイスを受け、ゴール前のプレーの選択と質の向上を突き詰めていった。

三好は左利きで、当時は「右足はおもちゃ」と右足を磨くことを掲げていたが、ウルグアイ戦の1点目は、縦に仕掛けて右足でネットを揺らした。小林は「あまり(右で)蹴るイメージは無かったですけど、そこをしっかり決められるのは練習したんだろうなと思います。コンサドーレ、マリノスで試合に出ることで得たものも大きいと思う。もともと、ボールのもらい方、左足は特に武器になっていました」と後輩の活躍に目を細めた。

中村は「彼は点を取りたいという意欲がある中盤の選手で、点を取る。うちにいたころからそこは魅力的」と振り返る。三好の2点目の場面を挙げ「逆サイドからのクロスに、ちゃんと中に入ってこぼれ球を狙っていた。自信がないとあそこに入っていけない」とたたえる。三好が川崎Fで公式戦に出始めたころは、若さゆえ、いい時と悪い時の波が大きかったが、この2年は常に試合に出続け、プレの波も少なくなった。中村は「プレーの選択を間違えなければもっといい選手になれると思う」とその伸びしろにさらなる期待を寄せた。

川崎Fでは今年、U-20W杯ではFW宮代大聖が得点を挙げ躍動した。トゥーロン国際大会では、MF田中碧が初招集ながら攻守で存在感を見せ、チームの準優勝に貢献。個人賞も獲得した。今回の三好と板倉も、川崎Fでの練習で技術を磨き、南米選手権でしっかりプレーしている。中村、小林らベテランがけん引する川崎Fでの練習が、世界を相手に戦う技術と知恵をしっかり培っている証しでもある。