MF堂安律(21=PSV)は右シャドーで先発し奮闘したが、得点には結びつけられなかった。

前半10分に自らの仕掛けで得たFKを直接狙ったが、右上にそれた。後半35分にはMF久保のクロスに合わせたが、得点できず。鋭い動きで相手DFからボールを奪うシーンもあり、初の東京五輪世代での試合に気合十分だったが、結果は出せなかった。

A代表の4バックに対して、五輪代表は3バックを採用している。慣れない布陣での試合に堂安は「(後ろに)重く感じたし、僕とタケ(久保)のシャドーにボールが入って前を向いたとき、綺世くん(1トップの上田)とタケしか選択肢がなかった」と、前線に選手が少なかったことを指摘した。

“3バック”で実際に臨み、イメージと違うところもあったようだ。「森保さんがサンフレッチェでやっていたときは、2ボランチでも1人が降りて4バックになって、1人がアンカーに残って、4-1-4-1でポゼッションをするイメージ。(今日は)2ボランチが中にいて、シャドーが中にいて、どうしてもセンターバックが(ボールを)持ったときに、僕のポジションとボランチのポジションが被ってしまうので、縦パスを入れられない状態になっていた。どちらかというと建英(久保)がトップ下に入って、僕がトップに入って、2トップ気味になったほうがいいのかとも話はしたし、いっぱいトライはしましたけど、うまくいかなかったですね」。冷静に振り返り、分析した。

ただ、布陣以上に足りない部分があったという。「戦術とかの面以外で、球際で負けすぎている。『誰かがやってくれるだろう、誰かが次守ってくれるだろう』そういうふうに見えたし、自分もまだまだ体を張るシーンが少なかった。前半の立ち上がりは何本かやるシーンはありましたけど、90分通してできないとダメだし、全員が持つべきところ。じゃないともっとやられると思います」。この日の内容をふまえて「危機感でしかない」と話し、厳しい表情を浮かべた。