サッカー元日本代表のラモス瑠偉監督(62)率いる日本が、初の決勝進出を逃した。05年の第1回大会以来2度目の4強入りを果たし、2大会前の優勝国ポルトガルと対戦。格上相手に2度のビハインドも1度は逆転し、追いつき、延長戦からPK戦まで持ち込んだが、最後に力尽きた。日本時間2日未明にある3位決定戦では、初の銅メダルをかけてロシアと対戦する。

   ◇   ◇   ◇

ラモスジャパンが大善戦の末に散った。3人制のPK戦、先攻1人目。10番で主将の茂怜羅が枠の右上に外してしまう。ベンチからキッカーが見えないほどの豪雨の中、死闘の疲労もあったか。4大会連続W杯出場、4度の世界年間ベスト5を誇る名手の右足を狂わせた。「このW杯は命懸けで優勝しようと約束していた。得意なPKを人生で最も大事な場面で…」。3人目の田畑も枠をとらえられず、悲運の結末に泣いた。

一方でラモス監督が「PKは試合で最も活躍した人が外す。ジーコやバッジオもそうだった」とかばったように、茂怜羅を中心に世界3指の強豪を苦しめた。0-1の第1ピリオド(P)に、茂怜羅の地をはう直接FKで同点。第2Pには山内の左足で勝ち越した。第3Pに2被弾で再びリードを許し、主軸の大場も出場停止の中、土壇場で神懸かった。残り47秒、右CKから赤熊が右足でたたき込む。ラモス監督は仲間と抱き合い駆け回って喜んだ。

延長戦も0-0と譲らなかったが、最後は世界との壁。優勝も準優勝も経験しているポルトガルに逃げ切られた。初の決勝進出、さらにはFIFA主催大会で日本男子初の優勝を目指した夢は持ち越された。ラモス監督は「砂浜のサムライに決勝を経験させてあげたかった」と悔やみながらも「3位決定戦ではロシアに勝つよ。胸を張って日本に帰るよ」と燃えさかる。前回4強の05年は2-11でブラジルに大敗して4位に終わったが、もう気後れはない。初の表彰台をかけて翌日の最終戦へ切り替えた。