“大迫ロス”を武蔵が吹き飛ばす! 今月にオーストリア遠征を行うサッカー日本代表(FIFAランク27位)のメンバー24人が5日に発表され、FW鈴木武蔵(26=ベールスホット)が10月のオランダ遠征に続いて選出された。新型コロナウイルスの影響を受けてエースFW大迫勇也(30=ブレーメン)を招集できず、好調の鈴木が1トップの1番手となった。メンバーは前回に続き全員が欧州組。13日にパナマ(同77位)、17日にメキシコ(同11位)とグラーツで国際親善試合を行う。

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新エースに鈴木が名乗りを上げる。FIFAランク11位の強豪メキシコらと対戦する2試合を前に、攻撃の柱である大迫が不在となった。代えがきかないFWの第一人者で、穴を埋める存在がここまでいなかった。タイプは異なるが、新天地のベルギー1部ベールスホットで7試合5得点と波に乗る男に期待が高まる。

オランダ遠征の際には「何としても自分が活躍して1トップの座を脅かしたい」と話すなど、大迫1人に負担がかかることにストライカーとしてじくじたる思いも口にした。ポストプレーで抜群の安定感を誇る大迫に対して裏に抜ける動きを得意とするが、森保監督からは自身がつぶれて味方を生かすプレーも求められた。その指揮官は「ベルギーでも個のマッチアップが多い。かなり激しいマークにあいながらプレーする中でも、突破している」と成長を語り、期待を寄せる。

10月のコートジボワール戦ではセットプレーで1-0の勝利も、16本のクロスは得点につながらず。2試合で計23本のシュートを放ちながら1得点に終わった要因となった。森保監督は「2試合の課題で、クロスの改善をしないといけない」。鈴木のリーグ戦での5得点のうち4得点がサイドからのボールに合わせたものだ。大迫のようなポストプレーを意識しつつ、自身の長所を出すことがチームの課題解決につながる。

オーストリア遠征の終了後、次に集合する来年3月から、延期となっていたW杯アジア2次予選が再開する。22年W杯カタール大会への挑戦が再開する前の最後の活動。新たな攻撃の柱となれるか、機が熟した26歳に大きなアピールの機会が訪れた。【岡崎悠利】