森保ジャパンが誇る「決闘(デュエル)王」が、ミャンマーに立ちはだかる。MF遠藤航(28=シュツットガルト)は今季、5大リーグの1つ、ブンデスリーガでデュエル勝利数1位を獲得。守備職人のボランチとして名をはせ、日本代表でも一気に存在感を高めている。東京五輪のオーバーエージ(OA)も当確の男が、まずは28日のW杯アジア2次予選でミャンマーを完封して最終予選進出を決める。

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遠藤は今季ブンデスリーガに初挑戦し、リーグのデュエル勝利数でいきなり1位を獲得した。デュエルは「決闘」などを意味する。転じてサッカーでは、ボールを奪い合う争奪戦をどれだけ制したかを示す数値として、特に世界基準で重要とされる。千葉県内の代表合宿2日目のこの日、オンラインで取材対応し「どれだけ1対1で勝てるか、勝利数のデータが出てからは、より意識するようになった。(1位を)達成できたことはうれしい」と、たしかな手応えを口にした。

守備側であっても、より積極的に仕掛ける姿勢が結果に表れた。「迷ったらいかない選択をしていたところを、『迷ったらいく』という選択にしてから、(ボールを)奪う感覚は洗練された」と体感を口にする。ミスを恐れずにチャレンジし続けたことで、より自分の間合いやタイミングを深く理解できた。

6月にはU-24日本代表にオーバーエージで招集されており、16年リオデジャネイロ五輪に続く五輪出場が濃厚だ。リオでは1次リーグ敗退を喫しており、自国開催の祭典はリベンジの場にもなる。「メダルを取る覚悟でやらないといけない。自分が出れば、どの相手にもしっかり守れることを示したい」と、強い思いを口にした。

2度目の五輪も見据えつつ、まずはミャンマー戦が控えている。勝てばアジア最終予選進出が決まる一戦。格下相手となるが「試合をするときには自分たちに集中することが大事。ミャンマーでもブラジルでも関係ない」と言い切った。目の前の試合での勝ち点3に目を向け、森保ジャパンの門番としてピッチに立つ。【岡崎悠利】