サッカー日本代表(FIFAランク28位)は26日、W杯カタール大会アジア2次予選の同139位ミャンマー戦(28日・フクダ電子アリーナ)に向けて千葉市内で調整した。DF酒井宏樹(31)は、5シーズンを過ごしたフランス1部の名門マルセイユを今季限りで退団。愛着あるクラブを去る思いとともに、オーバーエージ(OA)として臨む東京五輪への決意を語った。

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勝てばF組1位で最終予選進出が決まるミャンマー戦を前に、酒井は「大事な予選。一丸となって頑張りたい」と言葉に力を込めた。3月に14-0で大勝したモンゴルに続く格下相手となるが、油断はなかった。この日は練習の冒頭約15分が公開され、ランニングなどで汗を流した。

マルセイユ退団について、すっきりとした顔つきだった。「本当に素晴らしい5年間だった」。マルセイユでは公式戦184試合に出場。欧州挑戦9年目の今季はチャンピオンズリーグ出場も果たした。契約はあと1年残っていながら去ることを決めた。浦和への移籍が決定的となっている。

帰国前には現地紙の取材に「外国人枠を使う選手として、クラブを助けられたかどうかを自問していた。責任を果たせないなら出ていくと決めていた」と話した。家族も含めて、マルセイユは愛する土地になった。だからこそ、自分に満足できないパフォーマンスであった以上、責任を持って去ることを決めた。

フランスでの日々を終えて帰国。ミャンマー戦を終えた後は、東京五輪に向けてOAとして準備を進める。本大会では1次リーグでくしくもフランスと対戦。「大きな巡り合わせだと思っている。楽しみたい」と心境を語った。金メダルを目指すチームをけん引する1人として、強敵フランスを知る酒井の存在はチームにとって大きなプラスになりそうだ。「プレーで若い選手を引っ張っていけるように、責任を持って臨みたい」と表情を引き締めた。

今後について「この移籍が正しいものだとは自分でしか証明できない。これまで以上に結果を残し続けたい」と語った。森保監督からの厚い信頼を受けて招集された2つの代表で、マルセイユで過ごした5年間の成果を見せる。【岡崎悠利】