日本のワールドカップ(W杯)カタール大会に向けた、アジア最終予選がいよいよ今夜、始まる。

日本(FIFAランキング24位)は大阪・パナソニックスタジアム吹田で、オマーン(同79位)との初戦に臨む(午後7時10分キックオフ)。

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日本代表DF吉田麻也(33=サンプドリア)が自身3度目のW杯アジア最終予選に臨む。

今回は主将マークを付けて臨む大会だ。国際Aマッチ通算107試合出場のベテランだが、若い時には、最終予選の大舞台の怖さもあったという。今は「高揚感の方が強い状態で、気持ちの準備としては非常にいい状態だと思う。五輪のようなピリピリした緊張感の中での試合がまたできる。非常にワクワクしている」と心境を語る。

東京五輪を戦ったU-24世代から今回は6人がメンバー入りした。今後も、MF田中碧、三笘薫ら海外に渡った選手もA代表に食い込んでくることが予想される。若手がA代表で求められることについて、吉田は所属クラブでの試合出場に加え「タフさ」を挙げている。

海外でプレーする選手は、移動や時差の環境下でも安定したプレーが必要だ。「長谷部選手、長友選手、川島選手、岡崎選手。そういう選手の何がすごいかというと、コンディションを維持して、いい状態で自分のパフォーマンスを発揮して、コンスタントに結果を出し続けていること。そういう地力をチームとして選手個人としてつけること」と話す。

最終予選では、勝ちながらカタールでの本大会へのチーム力底上げも、ミッションの1つ。昨秋のメキシコとの国際親善試合、東京五輪での6試合の戦いでは、試合中に流れが悪くなったときの打開に、課題が残った。「前回のアジアカップでもそうでしたが、特にうまくいっていないときにどう戦うか。行き詰まったときに何か変化を与えるのはまだまだ課題。あとはチームの戦い方をもっと構築しないといけない」。

コロナ禍でスケジュールが大きく変わり、これから1カ月ごとに最終予選を戦うが「間隔が少ない分、感覚、フィーリングを合わせるのが良くなってくる」と、むしろ、追い風と感じている。五輪では吉田を含む、A代表の主力3人がオーバーエージ枠で出場し、若手との連係面が高められたのは大きなメリットだった。東京五輪経由、カタール。五輪世代の台頭も含め、吉田の五輪後の戦いが、早くも幕を開ける。【岩田千代巳】