日本代表DF酒井宏樹(31=浦和レッズ)が15日、16日のワールドカップ(W杯)アジア最終予選・オマーン戦に向けマスカットでオンライン取材に応じ、復帰に慎重な構えを見せた。

酒井は11月3日の川崎フロンターレ戦で足の付け根付近を痛め、11日のベトナム戦も欠場していた。筋肉系のけがで、快方には向かっているが、当初の予定より回復が遅れていることを明かし「生半可な気持ちでできますとは言えない。完全に戻った状況でできると伝えたいと思います」と慎重な姿勢を示した。酒井の一問一答は以下の通り

-マスカットに入って練習の強度もだんだん上がっている。今の状態と間に合った手応えは

酒井 良くはなってきていますし、すごく、練習の中でもやれることが増えてきているので。かなり、自分としては上がってきていると。ただ、骨とかそういうところではなく、筋肉系なので。すごく慎重にはやっているところです。

-当初からオマーン戦に間に合わせる選出。予定通り?

酒井 いえいえ全然。もっと早く治ると思っていました。これに関してはけがはまったく先が読めないもの。当初の考えていたものとは全然違いますし。そこは申し訳ない。

-足の付け根あたりの筋肉か。

酒井 はい。(川崎フロンターレ戦で)シュート決めたシーンとはまた、違った時にやったものなので。そこがちょっと。代表チームも理解してくれてこの活動に参加させていただいている。そこには感謝していますし。それがチームにとっても、よかったことになるように、頑張っていかないといけない。自分に課された使命はある。

-9月も疲労の蓄積もあってフルでチームに貢献できていないもどかしさは?

酒井 全然、自分が出ていないところに関してもどかしさはない。マルセイユ時代は骨に異常があったり、試合当日に発熱していてそのまま試合に出たのは何度もある。やはり筋肉系のけが、捻挫をしたときに、20年シーズンなんですけど、捻挫をしてそのままプレーして、半年以上、棒に振ったというか、まったく自分の中で納得していないパフォーマンスで。サポーターにも批判され、チームとしても疑いをかけられた苦しいシーズンだった。コロナで中断して手術するまで納得いかないパフォーマンスのまま、チームもリーグも終わった。もう、あの思いはしたくないし。それ以降は、自分の判断基準が変わって、強いインテンシティーを出せるかとか、本来の満足するパフォーマンスが出せるようになるのが僕の判断基準。試合に出たいとか、多少、根性出して強引にでも試合に出るとか、そういうのではなく。チームにどれだけプラスアルファを持たせられるかというのが、そういう判断ができるかが、本当のプロとしての責任だと思う。そこを基準にしてやっている。自分のパフォーマンスが戻らない限りは、というのはあります。

-2試合とも行ける状況じゃない中で、呼んでもらった。それぐらい信頼が大きいとも言える。監督の思いをどう受け止めているか

酒井 信頼していただいているのは感じますし、それに関して信頼に応えないといけないと思っている。だからこそ、生半可な気持ちでできますとは言えないですし。完全に戻った状況でできると伝えたいと思います。その話は、毎日コミュニケーションを取ってやれていますし、僕自身も右サイドバック素晴らしい選手が2人いるので。その選手たちのことも信頼している。みんなで勝ち上がっていきたい。

-9月のオマーン戦は相手にやられた感じがある。それを踏まえてどんな戦いをすべきか

酒井 とにかく勝つしかない。あれだけ悔しい思いをしましたし、見ている人にとっても嫌なスタートを切らせてしまったので。その点も含めて僕らには責任がある。しっかり、ここで払拭(ふっしょく)していきたい。

-ベトナム戦を外から見て。433で感じた問題点、感じたことは

酒井 中にいれば感じることが多かったと思うが、僕は外から見ていたので。言えるものは少なくなるが。ただ、結果は出ましたし、そこに尽きると思う、最終予選は。そこが取れたことはすごく大きいと思います。もちろん課題はありますし、課題は探せば山ほどあるが、それは普通のこと。ただ、勝たないと意味がないので、今回もそこは強く求めていくことではないか。