W杯日韓大会の開幕からちょうど20年の5月31日、日本代表DF長友佑都(35)と吉田麻也(33)が歴史の重みと責任を口にした。当時、長友は高校生、吉田は中学生だった。あれから20年。長友は4度目、吉田は3度目のW杯を目指している。この日チームは札幌入りし、同市内で国際親善試合パラグアイ戦(2日、札幌ド)に向け練習。日本代表が積み重ねてきた歴史を受け継ぎながら、11月開幕のW杯カタール大会で勇姿を見せるため、まずは6月の4連戦に集中する。

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雨中での練習を終えると、長友はスタンドに向かって両手を振った。「頑張ってね! ありがとう!」。見学する札幌市内のサッカー少年団の小学生ら約400人にあいさつしてピッチを後にした。20年前は東福岡高の1年生。部員みんなで日本の全試合を観戦した。「必ずここ(=W杯)に立つという気持ちに変わった大会だった」と懐かしむ。

吉田は名古屋の下部組織に所属する中学2年生だった。「(自国開催で)日本代表がぐっと目標として近づいたことを覚えている」。2人とも、当時の思いを大切にする。

先輩たちと歴史をつむぎ、この冬、日本の7大会連続となる本大会のピッチに立とうとしている。「20年つないできたものを、これから先につないでいきたい」と吉田。そのためにも「結果を出すことが必要」。初めて16強入りし、2人もまだ超えられていない02年からの進化を結果で示したい。

開幕まで半年を切った。6月の大事な4連戦は、貴重な強化の機会。個人で4大会連続出場を目指す長友は「W杯には、誰よりも強い覚悟がある。またサッカー人気が出てくるように、発展できるように、頑張りたい」。節目の日もベテランは燃え、気持ちを新たにした。【保坂果那】

 

○…DF吉田は6月でサンプドリアとの契約が満了する。去就について「(代表活動後の)2週間で動きがあるかどうか、エージェント(代理人)に任せている。なるようになるでしょう。何かいい案あれば教えてください、みなさん」と冷静。主将として「6月14日まではまず、代表で自分がしっかり」。貴重な今回の活動に集中する。

▽MF遠藤(6月の4試合に) いろんなことにチャレンジできる。チームとしての総合力を見せられれば。いろんなことができるチームが良いチームだと、個人的に思っている。

◆別メニュー DF冨安健洋は右太ももの故障、MF守田英正は左ふくらはぎ違和感で、前日に続き別メニュー調整となった。