【アルラヤン(カタール)=千葉修宏】カタールの砂漠の中にオアシスが見えた! 22年W杯カタール大会予選・大陸間プレーオフが行われ、コスタリカ(北中米カリブ海、FIFAランク31位)が1-0でニュージーランド(オセアニア、同101位)に辛勝。3大会連続6度目のW杯出場を決めた。これで出場32カ国がすべて出そろった。コスタリカは本大会で日本、スペイン、ドイツと同じE組に入るが、GKナバス(パリ・サンジェルマン)の活躍などでなんとか勝利を拾った。日本にとっては「死の砂漠」の中で唯一、休息ができるオアシスになりそうだ。

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FIFAランク31位のコスタリカの試合内容は、明らかに強豪のそれとは言えないものだった。

前半3分、左サイドのベネットが相手選手とうまく体を入れ替えながらスローインを受け、そのまま縦へドリブル。中央へクロスを入れると、FWキャンベルが左足を合わせ、先制ゴールを流し込んだ。

しかし、その後は同ランク101位のニュージーランドに防戦一方。後半途中には退場者を出した相手に押し込まれ続けた。屈強なフィジカルで次々にボールを奪われ、ボール保持率は36%と相手に大きく上回られた。シュート数も相手の15本(枠内6本)に対して、わずか4本(枠内3本)にとどまった。

前半39分には同点ゴールを献上したかに見えたが、直前に相手にファウルがあったとしてVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で取り消しとなった。名GKナバスが好セーブで失点を防いだ場面が何度もあり、見せ場は乏しかった。ナバスやボルヘスら8強に躍進した14年W杯メンバーが今も残り、世代交代の遅れが指摘される。

ニュージーランドのヘイ監督は試合後「我々の方が良いチームだった。試合を支配していたのは我々だし、クオリティーの高いプレーをしようとしていたのも我々、チャンスをつくろうとしていたのも我々だ」と憤慨したが、負け惜しみには聞こえなかった。

コスタリカは日本との通算成績は3敗1分けと未勝利。フィジカルが弱く、技術は平均的、ゴール前の迫力にも欠く同国は日本にとって「死の組」のオアシスだ。MFベネガスは「我々にとっては死の組だ」。DFカルボは「大阪での親善試合に0-3で負けたのを覚えている。アジアで最強のチームの1つだから難しい相手」と話した。

コスタリカのスアレス監督はエクアドルを06年W杯ドイツ大会に、そしてホンジュラスを14年W杯ブラジル大会に導いた名将。チーム自体は、侮るべきではないが、リスペクトし過ぎる必要はまったくない相手だ。

◆日本の国際Aマッチ・コスタリカ戦◆

監督     年・月・日 スコアHA 場所   日本の得点者

加茂 周   95・8・ 6 3○0  H 西京極  名波、福田、北沢

トルシエ   02・4・17 1△1  H 横浜国際 明神

ザッケローニ 14・6・ 2 3○1  N タンパ  遠藤、香川、柿谷

森保 一   18・9・11 3○1  H パナスタ O・G、南野、伊東

※全て親善試合。N=中立地