<東アジアE-1選手権:日本3-0韓国>◇27日◇豊田ス

 

ワールドカップ(W杯)カタール大会前、国内最後の代表戦で、森保一監督(53)が初タイトルを手にした。

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大会前、森保監督は「選手のレベルアップを図りタイトルを目指す。できるだけ多くの選手をみる。個々の能力を見る」と話した。要するに、4カ月後のW杯カタール大会に向け、選手の特徴を把握して必要な選手を見極めることを大前提にして戦った。その中で可能性を感じたのは、MF相馬とMF藤田ではないだろうか。それにFW町野が加わると思う。

まずは相馬。今大会の3得点はもちろん大きなアピールになるが、日本代表で物足りなさを感じていたセットプレーにおけるキッカーに名乗りを上げたと言える。香港戦の直接FKも良かったが、韓国戦の右足CKが見事だった。2点目の佐々木のゴールにつながるCKは軌道もスピードも良く味方へピッタリと合わせた。前半、直接ゴールを狙ったCKも素晴らしかった。さらに相馬の縦への仕掛けからの突破も特徴のひとつ。海外組が加わっても十分特徴が生きる選手のはずだ。

日本サッカーの将来を考えた時、藤田もW杯メンバーに加える必要がある。年齢層が高くなると予想される今の代表において、才能ある若手選手にW杯のような大舞台を経験させることも重要になる。プレー面でまだ未熟な部分はあるが、カタールの経験をその後のパリ五輪、さらに次のW杯へとつなげる選手が必要だ。W杯登録メンバーが23人から26人になったわけだから、次の10年のためにも増えた3人枠に入れるべきではないだろうか。

日本代表FW陣は、浅野、前田、古橋らシャープでスピード豊かな選手がそろっている。韓国戦で3点目を入れた町野は、高さがあって体格的にも相手DFに体を預けてプレーできる。長身なのにしなやかで、独特な間合いを持っているストライカーらしい選手だ。Jリーグでは結果を出しているし、今度は海外組が入ったフルメンバーでの融合を見てみたいと思わせる選手だ。

W杯カタール大会は、Jリーグが2週間前、欧州各リーグは1週間前にリーグ戦が中断する。けが人の心配もあって、最後までどのメンバーが入るか、分からない部分がある。特に欧州組にとってはコンディション作りが難しい大会なだけに、Jリーガーにもチャンスは回ってくる可能性も十分考えられるから最後まで最善の準備をしてもらいたい。(元日本代表MF)