【デュッセルドルフ(ドイツ)25日=岡崎悠利】サッカー日本代表は27日、国際親善試合キリンチャレンジ杯でエクアドル代表と対戦する。MF久保建英(21=レアル・ソシエダード)にとっては、19年の南米選手権(ブラジル)で対戦して以来となる。相手の力も格段に上がっていると警戒しつつ、W杯カタール大会前最後となる試合を勝利で終えることを誓った。

W杯を目前にし、23日の米国戦ではスタメンで存在感を示した。エクアドルは19年に対戦したときと比べて明らかに強くなっていると分析。「押し込む展開になっても、(不用意な)横パスなどは気をつけたい」と引き締まった表情で話した。

19年6月25日。ブラジル・ベロオリゾンテでの南米選手権1次リーグ最終戦。久保はエクアドルのゴールネットを揺らした。1-1の後半ロスタイム。歴史的な1次リーグ突破を決めたに見えた。しかし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定でオフサイドに。手を合わせて祈っていた18歳の日本代表史上最年少ゴールは幻になった。

勝てば突破だっただけに悔しさもありつつ「持っている力はある程度出せた」とたしかな手応えをつかむ舞台だった。データサイト「Opta」によれば、シュート3本に得点機につながるパスが7本。計10本はウルグアイ代表FWスアレス、コロンビア代表MFハメス・ロドリゲスら名手に次ぐ数字だった。同月に国内でA代表デビューしたばかりの若武者が同大会中にスペイン1部レアル・マドリードへの完全移籍を勝ち取り、スペインへ渡った。

3年以上が経過した。今季はRマドリードを離れ、Rソシエダードへ移籍し、主力に定着。スペイン挑戦のきっかけになったRマドリードへの感謝も口にしつつ「今いるクラブで全力に尽くし、立ち向かうだけ」と、自分のレベルアップのためにした決断は実った。

6月の段階では主力を狙う立場だったが、米国戦では本職のトップ下や右サイドではなく左サイドで、しかも守備でも貢献できることを示した。自身初となる、W杯への挑戦は現実味を帯びている。「残り1試合で(W杯の)メンバーが決まる」。ブラジルの地で幻に終わったゴールを次こそ奪い、カタール行きへの1発回答にする。