サッカー日本代表の森保一監督(54)が、26年W杯米国・カナダ・メキシコ大会まで続投することが28日、決まった。同日に行われた日本サッカー協会(JFA)の理事会で承認された。4年契約で年俸は推定2億円。W杯まで指揮をとれば、日本人監督としては任期、待遇ともに過去最高となる。またストライカー不在が課題に残る中、新しいコーチとして、元日本代表FWの前田遼一氏(41)に打診していることも判明。本人も入閣に前向きな姿勢を示している。新体制は、来年3月23日に東京・国立競技場で行われる国際親善試合が初戦となる。

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第2次森保ジャパンが正式に決まった。都内で開かれた会見に出席した森保監督は「日本に不可能はないという信念を持って挑戦したい」と力強く語った。日本サッカーの歴史でも初めて、代表監督という「クレージージョブ」での続投だ。同席した日本協会の田嶋会長は「対価で言えば今までの監督以上の条件は出さなければいけない」と語った。推定年俸は2億円と、まさに過去最高となった。

新しい挑戦をともにする仲間として、元日本代表の前田氏にコーチ就任を打診していることが分かった。現役時代は07年から13年にかけて日本代表でプレーし、国際Aマッチ33試合10得点。Jリーグでも09年シーズンから2年連続得点王に輝くなど実績は十分だ。昨季は磐田ユースで監督を務めた。

スタッフは横内昭展コーチが磐田、上野優作コーチが岐阜の監督に就任しチームを離れる。主に攻撃面を指導した横内コーチは森保監督の右腕だった。指揮官は後任について「ボールをにぎりながらチャンスを作るところにたけている、元選手のコーチを招へいできれば」と語った。日本代表はストライカー不足の課題を抱えるだけに、入閣に前向きな姿勢を見せる前田氏の手腕にも期待がかかる。

森保監督は眉間に力を込め、続投を決心した理由を語った。「カタールで悔しい思いをした」。日本協会は26年W杯までの延長を基本線とした2年契約を提示も、目標到達に集中するため4年契約を希望。協会側がのみ、理事会も全会一致で承認した。

カタール大会ではカウンターがはまって躍進したが、強豪相手にも主導権を持って戦えるようになることがベスト8達成への道になる。指揮官は「デュエルで力を持っていなければ、技術や戦術はまったく生かされない。そこは(決勝で)アルゼンチンとフランスが見せてくれた。奪い合いから始まるところを忘れてはいけない」。言い続けてきた球際の強さはさらに選手に磨いてほしいとリクエストした。

26年W杯からは出場国が48に増え、決勝トーナメントも32チームで行われる。ベスト8へはトーナメントを2回勝ち上がる必要がある。異例の11~12月開催だったカタール大会から、48チーム参加(従来は32チーム)の新方式となる米国・カナダ・メキシコ大会へ。3月の国立から、森保ジャパンの新しい挑戦が始まる。【岡崎悠利】