シン・森保ジャパンが始動する。日本サッカー協会(JFA)は15日、国際親善試合キリンチャレンジ杯ウルグアイ戦(24日、国立)、コロンビア戦(28日、ヨドコウ)に臨む日本代表26人を発表。森保一監督(54)は初招集の選手4人を含め、昨年11月のW杯カタール大会から10人を入れ替えた。DF吉田麻也(34=シャルケ)、長友佑都(36=東京)らベテランの力を借りず、W杯後の初戦となる重要な2試合は、次なる世代で臨む。

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森保監督らしい、思い切った決断だった。躍進したW杯から約3カ月。日本を熱狂させた26人のうち、10人が入れ替わった。国際Aマッチ出場数はMF遠藤航の47が最多。同142のDF長友、126のDF吉田らが選外となり、平均年齢はカタール大会の27・8歳から24・5歳と、3歳以上若返った。指揮官は「彼ら(吉田ら)がいない時に、どれだけ力を付けていけるか。これからに向けて培わないといけない」と力を込めた。

吉田のセンターバックにはDF角田、長友の左サイドバックにはDFバングーナガンデと、ともに初招集の選手を抜てき。バングーナガンデについて「守備では長友選手と比べるとまだまだ足りないところがあるが、国際試合で必要なものを培ったら間違いなく戦力になる」と評するなど、26年W杯に目を向けた編成となった。カタール大会ではFW大迫、MF原口といった実績組を外したが、今回も実績優先ではなく、経験は浅くとも「スペシャルな特長を持っている」選手を積極的に組み込んだ。

日本協会は2050年までのW杯優勝を掲げる。そのためには、カタールでもはね返された8強の壁を越えることが、まず第一。「カタールではカウンターで相手が嫌がる攻撃ができたが、ボールを握ったときにもっと攻撃の質を上げないと」と課題も明確だ。国立で迎える再出発の1戦。新たなメンバーで、幸先よくスタートを切る。【岡崎悠利】

 

<初招集の4選手>

◆バングーナガンデ佳史扶(かしーふ) ガーナ人の父と日本人の母を持つ超攻撃的左サイドバック。東京の下部組織出身。得意の左足から繰り出すクロスは高速で正確。CKのキッカーも務めるなど、セットプレーの技術も高い。21年9月に右膝外側半月板損傷のケガを負い、22年4月に復帰したばかり。DF長友を押しやってレギュラーに定着。

◆角田涼太朗 左利きでセンターバックと左サイドバックをこなせる貴重な存在。足元の技術も高く、最終ラインからドリブルで持ち上がり縦パスを供給する攻撃参加も魅力。185センチ、78キロの恵まれた体に加え、読みと駆け引きで勝負できるクレバーな一面も。11年に死去した前橋育英高、横浜の先輩である松田直樹氏を尊敬する。

◆中村敬斗 U-15から世代別代表に名を連ね、19年U-20W杯にも出場したが、21年東京五輪はメンバー外。オランダ、ベルギーと渡り歩き、現在はオーストリア1部リーグのLASKでプレー。スピードあるドリブルとフィジカルの強さが持ち味で、同リーグで11得点とゴールを量産中。左ウイングとして存在感を示している。

◆半田陸(りく) J2山形のジュニアユース村山時代から将来を期待された21歳の右サイドバック。同ユースに在籍していた高2で山形とプロ契約し、19年8月の新潟戦でプロ初先発初アシスト。パリ五輪世代で守備と攻撃のバランスのとれた能力を見込まれ、今季からG大阪に完全移籍。開幕柏戦でJ1デビューした。