【ドーハ12日=佐藤成】サッカー日本代表(FIFAランキング17位)が14日、アジアカップ(杯)カタール大会の1次リーグ初戦でフィリップ・トルシエ監督率いるベトナム代表(同94位)と対戦する。先月のリーグ戦で左足首を負傷したMF三笘薫(26=ブライトン)が取材に応じ、1次リーグ中の復帰を目指していることを明かした。

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復帰のめどがついた。三笘は「回復次第ですけど」と断りつつ「予選(1次)リーグの中で入れればベストかなと思います」と具体的なターゲットを示した。

昨年12月21日のリーグ戦で左足首を負傷。全治4~6週間と診断され、5日に合流したが、室内調整が続いた。11日に初めてピッチに姿を現し、この日は全体練習開始から約40分後に練習場に出てきてジョギング、ステップメニューを消化。大会終盤まで出場できない懸念もあったが、「大丈夫です。(痛みも)徐々になくなってきています」と回復を強調した。

24日の1次リーグ最終戦のインドネシア戦あたりで復帰し、28日から始まる決勝トーナメント以降、フル回転することが理想的な展開だ。「予選リーグはなかなか最初は難しいかもしれないですけど、しっかりとバトンを受け継いで、あのいい状態で迎えられるようにしたい」。

5年間の成長を見せつける。前回19年大会では、国内合宿でトレーニングパートナーを務めた。当時筑波大3年。「次の大会に選ばれればいいなと思って参加していた」としみじみ。そこでA代表の基準を経験。わずか5年で世界最高峰のプレミアリーグまで駆け上がった。

開催地のドーハは、22年W杯で「三笘の1ミリ」などで世界を驚かせた場所。再び躍動する姿をイメージする。「ピッチ内で表現しないといけないと思う」。引いて守ってくることが予想されるアジアの戦いでは、独力での突破能力に優れる三笘の力が大きな武器になる。「自分の良さ、抜け出しやドリブルを生かして数的不利でも打開していきたい」。ケガを負いながらも、強い覚悟で出場を決めた。「優勝しないといけない」。ジョーカーとして、大会中盤から日本の勢いを加速させる。