中立地のサウジアラビアで行われたパリ五輪アジア最終予選・北朝鮮戦第1戦を引き分けた日本代表なでしこジャパンが26日、帰国し千葉県内で調整した。28日の国立競技場での第2戦は、勝った方がパリ切符をつかむ大一番。リオデジャネイロ五輪出場を逃した経験を持つ主将のDF熊谷紗希(33=ローマ)は、女子サッカーの未来のためにも五輪切符の重要性を強調。寒暖差や長距離移動のハンディを乗り越え、全力でパリ切符をつかむ覚悟だ。

とにかく勝つしかない。ローマ所属の熊谷は第1戦の開催地が直前まで決まらないドタバタで大きな被害を受けた1人。4日間でローマ-日本-サウジアラビアの「弾丸移動」を強いられた。サウジの試合会場は気温31度。この日は風速7メートルの北風が吹き、練習のあった夕方は10度以下に冷え込んだ。コンディション管理は簡単ではないが「そんなこと言ってられない。もうやるしかないんで」と表情を引き締めた。

第1戦で4-4-2の北朝鮮を想定していたが、ウオーミングアップ中に3バックと判明。試合中に解決策を見いだせず、5枚ブロックの守備を崩せなかった。それでも悲観はしていない。「暑さの中で負けなかったことが大きかった」とイーブンの状態でのホーム戦をプラスにとらえた。

16年のリオデジャネイロ五輪の切符を逃した経験を持つ。だからこそ、五輪出場の重要性が身に染みている。注目度が落ちると「(女子サッカーの)試合をやってることも知られない状況になる。未来のためにも、世界で戦うなでしこをみんなに見てもらえる機会を逃してはいけない」と強調した。

第2戦で勝った方がパリ五輪切符を手にする。「ここで勝たないと全て終わり。みんなと一緒にパリの切符をつかめる最大のチャンス。ホームをアドバンテージにして勝つことだけを考えたい」。なでしこの灯火は絶対に消さない。【岩田千代巳】

なでしこ、運命の北朝鮮戦 勝てばパリ五輪、負ければ終わりのアジア最終予選/ライブ速報します