日本サッカー協会(JFA)は4日、都内でパリオリンピック(五輪)アジア最終予選を兼ねるU-23アジアカップ(アジア杯)カタール大会(15日開幕)に臨む同日本代表メンバー23人を発表した。

今季の明治安田J1で首位に立つ好調のFC町田ゼルビアからは、MF平河悠(23)とFW藤尾翔太(22)が選出された。2選手は町田市内のクラブで取材に対応した。

今シーズンのJ1屈指の注目株と言っても過言ではない平河は「うれしいです。自分の中でオリンピックに出るのは1つの目標だった。出場権を獲得することが一番大事かなと思います」と意欲を口にした。

開幕からウイングとして左右問わずにプレー。黒田剛監督の信頼は厚く、全6試合にフル出場している。「J1の中で自分の特長は出せるなという感覚があるし、同世代ならやれる思いは強い」。同じ「剛」つながりの大岩剛監督率いるU-23日本代表でもチームの「ヤリ」として攻守に渡る活躍が求められる。

また、森保ジャパンへの意識も強まっており、「早くA代表に入れるようになりたい」とパリ五輪経由26年ワールドカップ(W敗)北中米大会行きまで思い描く。

一方の藤尾は「ゴールという結果でチームを助けたい。通らないといけない予選なので」と話し、日本サッカーの威信をかけた戦いに向けて表情を引き締めた。

1次リーグでは中国、UAE、韓国という強敵がそろうグループ。激戦が予想されるだけに「数少ないチャンスの中でFW陣はゴール決めないといけない。少ないチャンスを決めきれば予選も通りやすくなるし、逆に外していけばピンチも増えてながれもとられる。僕としてはチャンスを決めていきたい」と誓う。

試合前のルーティンとして「デジタルデトックス」を実践する。「前日からはスマホを見ない」。デジタルデバイスと距離を置くようにしている。夜はアロマ効果のあるキャンドルに灯をともし、部屋を薄暗くして音楽をかけてリラックス。勝負に向けて心身を整えるだという。ピッチで結果を出すために欠かせない行動となっている。

目の前に起きる一瞬の判断が勝負を左右するストライカーというポジション。神経をすり減らすことが多く、日頃からの準備に余念がない。

「難しい試合になると大岩さんは言っているので、それに負けないように準備はしたい。積み重ねてきたものを再現できるように、頭を切り替えてやりたい」

五輪切符をつかむ上で、ゼルビアコンビの活躍は不可欠となる。ここはクラブ同様に、平河の崩しから藤尾がゴールというシーンが期待される。