日本代表のリールスGK川島永嗣(27)が、アルベルト・ザッケローニ新監督(57)の「スポークスマン」に名乗りを上げた。新生ジャパンの初陣となるパラグアイ戦(4日)とグアテマラ戦(7日)に出場するため、ベルギーから帰国。イタリア語が堪能なことから「直接話せる。監督の意図も理解しやすい」と、ピッチ内外で監督と選手のパイプ役を買ってでた。

 言葉の壁は、守護神が取り払う。約1カ月半ぶりに帰国した川島は、成田空港で「新たなスタート」と第一声を発した。その言葉に日本代表の守護神としての決意が凝縮されていた。ザッケローニ新監督の就任も「イタリア語ならできる。話がしっかりできるので良い」と歓迎した。

 ベルギーの自宅で帰国準備中に、テレビのニュースでイタリア人監督就任を知った。その時、自分が監督と選手のパイプ役になることを意識したという。さらなる日本代表の飛躍へ「築き上げたチームワークを継続させたい。コミュニケーションが大事」と、監督と選手、スタッフの結束力を掲げた。今後は得意の語学を武器に「和」の中心としてピッチ上での指揮官にもなる意気込みだ。

 W杯後に移籍したリールスの入団会見では、現地のフラマン語であいさつした後、すべて英語で対応して周囲を驚かせた。外国語は得意だが、中でも最も自信があるのはイタリア語。NHKで放送中の「テレビでイタリア語」講座に特別ゲストとして出演したこともある。その収録で講師から絶賛されるほど発音も良い。プロ生活を始めた大宮時代にセリエA・パルマに留学し、世界で活躍するためには語学が必要不可欠であることを実感。以降、約10年に渡り、家庭教師をつけたり、言語学習教材ソフトのロゼッタストーンで勉強を続けてきた。

 所属チームでは、リーグ戦開幕5連敗と結果が出ていないが「いろいろな刺激、環境がプラスになっている」と手応えをつかんでいる。欧州だけでなく、アフリカや南米の選手が多いチームでの統率経験が日本代表を盛り上げる。川島の語学力が貴重な戦力となりそうだ。【鎌田直秀】