サッカー女子W杯ドイツ大会で優勝し、9月にロンドン五輪アジア予選を控えるなでしこジャパンが、高校1年生の英語教科書の有力な題材候補になっている。日本中が彼女たちの勇姿に感動したが、次世代の子どもたちへの教材にも登場しそうだ。

 文部科学省の教科書課では現在、2013年度版の教科書検定を行っている。学習指導要領が4年ごとに改訂され、現在の中学2年生が高校進学と同時に変更される。来年まで新しい教科書内容の検定を行うが、海外での日常生活に関わることや著名人が対象になることが多い。

 同課は「今後なでしこジャパンが取り上げられる可能性は高いと思う」としている。2年の歳月をかけあの興奮は高校の英語授業でよみがえることになる。

 教科書作製会社の新興出版社啓林館の担当部署はこの日「(取り上げる)可能性は高いと思います」と言った。英語に対して興味や関心を持ってもらうことが前提にあり、スポーツに興味を持っている生徒が多いことが理由だ。さらに来年の五輪出場権を獲得することになれば「可能性はさらに高くなるかもしれません。女の子たちにも勇気を与えてくれました」と続けた。

 国民栄誉賞受賞決定や、各自治体での表彰、さらにはさまざまなイベントにと、なでしこメンバーは今も引っ張りだこ。まだまだ熱気は冷めそうにない。「ブームかどうかを見極める必要がある」と、慎重な姿勢を見せるなでしこクラブもあるが、教科書採用となれば、また1つ大きな勲章を手にすることになる。

 一過性で終わらせず、彼女たちの功績を伝えていく上でも、サクセスストーリーが教科書に採用されることは女子サッカーにとって紛れもない朗報になる。なでしこジャパンの知名度はより広く、深くなりそうだ。